フィールドセールスの給与事情を徹底解説!高収入が狙える業種や他の営業職との比較も紹介

営業職の中でも顧客と対面で商談を実施するフィールドセールスは、多くの企業で重要な役割を担っています。営業職の中で年収はどの程度なのか、高年収が狙える業種はどこなのか、詳しく解説していきます。

フィールドセールスの基本情報

フィールドセールスは顧客を直接訪問し、自社の製品やサービスを提案、販売する営業職です。顧客との対面コミュニケーションを通じて信頼関係を構築し、課題解決につながる提案をすることが主な役割です。

フィールドセールスは顧客との信頼関係を築き、長期的な取引につなげることで売上に貢献する重要な職種です。そのため、高いコミュニケーション能力や提案力、交渉力などが求められます。
フィールドセールスの主な業務内容は以下の通りです。

顧客訪問:顧客を直接訪問し、製品やサービスを提案します。
ヒアリング:顧客の課題やニーズを丁寧にヒアリングします。
提案:顧客の課題解決につながる最適な提案をします。
クロージング:契約締結に向けた条件交渉や契約手続きをします。
アフターフォロー:契約後も顧客との関係性を維持し、継続的な取引につなげます。

フィールドセールスに求められるスキルは以下の通りです。

コミュニケーション能力:顧客との信頼関係を築く上で必要です。
提案力:顧客の課題解決につながる最適な提案をする能力です。
課題解決力:顧客の課題を的確に把握し、解決策を提案します。
行動力:目標達成に向けて、積極的に行動する能力です。

フィールドセールスは、企業の売上に大きく貢献できるやりがいのある仕事ですが、高いコミュニケーション能力や提案力、交渉力などが求められるため、決して簡単な仕事ではありません。これらのスキルを磨いて経験を積むことで、高い年収を得ることも可能です。

今と昔のフィールドセールスの年収の違い

フィールドセールスの年収は、営業スタイルの変化に伴って大きく変遷してきました。

昔は一貫した一気通貫の営業活動で成果報酬
かつてのフィールドセールスは、顧客開拓から契約締結、アフターフォローまでを一貫して担当する『一気通貫』の営業スタイルが主流でした。この時代は、個人の営業スキルや顧客との関係構築能力が、成果に直結しやすい環境でした。

成果報酬の重要性:
・個人の成果が年収に大きく反映される成果報酬型の給与体系が一般的
・高い営業スキルを持つ人材は、高額な報酬を得られる

求められるスキル:
・顧客開拓からクロージングまで、幅広い営業スキルが求められる
・顧客との長期的な信頼関係を築くための、高いコミュニケーション能力が重要

年収の傾向
・個人の能力や成果によって、年収に大きな差が生じる傾向
・高額な契約を獲得できる人材は、非常に高い年収を得られた

今は分担した営業活動になっている
近年のテクノロジーの進化や顧客ニーズの多様化に伴い、営業活動が分業化される傾向にあります。フィールドセールスは、主に提案とクロージングに特化し、顧客開拓はインサイドセールス、契約後のフォローはカスタマーサクセスが担当するなど、役割分担が進んでいます。

分業化の進展:
・営業プロセスが細分化され、各担当者が専門性を発揮
・フィールドセールスは、より高度な提案力やクロージングスキルが求められる

年収体系の変化:
・基本給に加えて、チーム全体の目標達成度合いによって評価されるケースが増えた
・個人の成果だけでなく、チームへの貢献度も評価される

求められるスキル:
・顧客の課題を深く理解し、最適なソリューションを提案する能力が重要
・社内外の関係者と連携し、スムーズに業務を進めるためのコミュニケーション能力が不可欠

年収の傾向:
・安定した基本給に加え、成果に応じたインセンティブが支給されるケースが増えた
・チーム全体の目標達成に貢献することで、より高い年収を目指せる

フィールドセールスの年収形態は時代の変化に合わせて多様化しています。以前は個人の成果が年収に大きく影響しましたが、現在はチーム全体の目標達成や専門性も重要な評価基準となっています。フィールドセールスとしてキャリアを築く上で、これらの変化を理解し、自身のスキルや経験をどのように生かすかを考えることが重要です。

営業職種別の年収

営業職と一口に言っても、職種によって年収は大きく異なります。ここでは、代表的な営業職であるフィールドセールス、インサイドセールス、カスタマーサクセス、マーケティングの4つに焦点を当てて、それぞれの年収事情について詳しく解説します。

フィールドセールス
フィールドセールスは顧客と直接対面し、自社の製品やサービスを提案、販売する営業職です。顧客との関係構築や高度な提案力、交渉力が求められるため、営業職の中でも比較的高い年収が期待できます。特に、IT業界や金融業界など、専門知識が必要な分野では高収入を得られる可能性が高まります。

平均年収:400万円〜1,000万円
特徴:
・顧客との対面コミュニケーションが中心
・高額な契約を獲得する機会が多い
・専門知識や高度な提案力が求められる
・成果に応じたインセンティブが支給されることが多い

インサイドセールス
インサイドセールスは、電話やメール、Web会議システムなどを活用し、顧客と非対面でコミュニケーションを取る営業職です。フィールドセールスに比べ、移動時間やコストを削減できるため、効率的な営業活動が可能です。近年はその重要性が高まり、年収も上昇傾向にあります。

平均年収:300万円〜700万円
特徴:
・電話、メール、Web会議システムなどを活用
・移動時間やコストを削減できる
・効率的な営業活動が可能
・フィールドセールスよりも年収はやや低い傾向

カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、顧客が自社の製品やサービスを最大限に活用できるよう、導入から運用、課題解決までを支援する営業職です。顧客満足度を高め、継続的な利用を促進することが主な役割です。近年注目されている職種であり、企業内で年収アップを目指したり、経験者として高い年収で転職することも可能です。

平均年収:350万円〜750万円
特徴:
・顧客の課題解決を支援
・顧客満足度を高める
・継続的な利用を促進
・フィールドセールスやインサイドセールスと同程度か、やや低い年収

マーケティング
マーケティングは、市場調査や商品企画、広告宣伝など、幅広い業務を担当し、営業活動を支援する職種です。年収は経験やスキルによって大きく異なります。データ分析能力や企画力、コミュニケーション能力などが求められます。

平均年収:400万円〜800万円以上
特徴:
・市場調査、商品企画、広告宣伝など幅広い業務を担当
・営業活動を支援し、売上向上に貢献
・経験やスキルによって年収が大きく異なる

これらの営業職の年収は、個人のスキルや経験、所属する企業や業界、成果、担当する顧客、経済状況などによって大きく異なります。高い年収を目指すのであれば、常にスキルアップに努め、実績を積み重ねることが重要です。

業種別の年収の違いについて

業種によってフィールドセールスの年収には大きな差があり、その背景には各業界の市場環境や企業の収益構造、営業戦略の違いが影響しています。

IT・SaaS業界:ITやSaaS業界は、急速に進化する技術やサービスが市場で高い需要を生み出しており、企業は優れた営業成績を上げる人材に対して非常に手厚い報酬を用意しています。このため、フィールドセールス担当者は年収600万円〜1,500万円といった高水準を実現するケースが多く、成果に応じたインセンティブがしっかりと反映される環境が整っています。

金融業界:金融業界においても、扱う製品やサービスの取引規模の大きさから、企業側が実績を重視し、優秀な営業担当者に対する報酬を用意しています。具体的には、金融業界でのフィールドセールスの年収は、おおむね500万円〜1,200万円程度とされており、取引先との信頼関係や契約の獲得がダイレクトに報酬に反映される仕組みとなっています。

外資系企業:外資系企業はグローバル市場での競争が激しいため、営業人材の能力が非常に重視され、年収水準は非常に高くなる傾向があります。外資系の場合、700万円〜2,000万円という幅広い年収レンジが見られ、個々の実績や交渉力がより一層重要な評価基準となっています。

不動産業界や小売・サービス業:不動産業界や小売・サービス業といった分野では、業界特有の収益構造や営業スタイルが影響し、フィールドセールスの年収は比較的低めに設定されがちです。不動産業界では、400万円〜800万円、小売・サービス業では350万円〜700万円程度と、他の業界と比べると低く抑えられているのが現状です。

このように、フィールドセールスの年収は、どの業界で働くかによって大きく変動します。自身のキャリアプランを考える際は、単に職種としての魅力だけでなく、どの業界での業務が自分に合っているか、どの業界がより高い報酬を期待できるかを慎重に検討することが重要です。業界ごとの違いを正しく理解し、自分の強みや目標に合わせた選択をすることで、将来的な収入の向上につながるでしょう。

フィールドセールスの年収を左右する要因とは

フィールドセールスの年収は単一の要素だけでなく、企業や個人のさまざまな要素が複雑に絡み合って決まります。まず、所属する業界や企業規模は、年収に大きな影響を及ぼす要因です。大手企業や外資系企業は業績が安定しており、営業担当者に対する報酬体系も充実しているため、フィールドセールスとしての年収が比較的高い傾向にあります。一方で、中小企業や特定の業界では、報酬が抑えられるケースもあり、これがキャリアの初期段階での年収差につながることも少なくありません。

また、フィールドセールスの年収は個々の営業成績にも大きく左右されます。顧客と向き合って実績を上げることが求められるため、目標達成や契約の獲得状況に応じたインセンティブが支給されるケースが多く、優れた成績を残すことで基本給に加えて大幅な歩合が加算される傾向があります。つまり、個人の能力や努力が収入に直結するため、成果を出すことで大きな報酬を得る可能性が高いのです。

さらに、営業スキルや蓄積した経験も年収を左右する重要な要素です。豊富な経験と高いスキルを持つ営業担当者は信頼が高く、難易度の高い案件を任されることが多いため、結果として高い収入を実現しやすくなります。長年の経験や実績が評価されることで、より重要なポジションや高報酬のプロジェクトに携わる機会も増え、年収の向上につながります。

他にも勤務地や担当エリアも無視できない要因です。都市部など経済活動が活発な地域は商談の機会が豊富で、取引規模も大きいことから、給与水準が上昇する傾向にあります。反対に、地方や経済活動が比較的低調なエリアでは、同じ職種であっても年収が低く設定されることがあるため、勤務地選びは重要なポイントとなります。

このように、フィールドセールスの年収は、業界、企業規模、個人の営業成績、営業スキル・経験、勤務地といった多様な要因が影響し合い決定されます。自身の強みや希望する働き方に合わせて、どの企業や地域でキャリアを積むかを慎重に検討することが、高い年収を実現するための重要なステップとなるのです。

自分に合ったスタイルで選択することが必要

フィールドセールスとしてキャリアを築く上で、自分に合ったスタイルを見つけることは長期的な成功と満足度に大きく影響します。一言でフィールドセールスと言っても、その業務内容は多岐に渡り、大きく分けると『新規開拓型』『ルート営業型』『ソリューション営業型』の3つが存在します。

新規開拓型は、まだ取引のない潜在顧客を開拓し、新たなビジネスチャンスを生み出すことに重点を置きます。このスタイルは、未知の領域に果敢に挑戦し、自らの力で道を切り拓きたいという意欲的な人に適しています。市場調査やコールドコール、展示会への参加などを通じて新たな顧客との接点を生み出し、自社の製品やサービスを提案します。

ルート営業型は、既に取引のある既存顧客との関係性を維持、強化し、継続的なビジネスにつなげることを重視します。このスタイルは、顧客との長期的な信頼関係を築き、安定した成果を上げたいという人に適しています。定期的な訪問や情報提供、アフターフォローなどを通じて顧客満足度を高め、リピート率向上やアップセル、クロスセルにつなげます。

ソリューション営業型は、顧客が抱える課題やニーズを深く理解し、最適な解決策を提案することに重点を置きます。このスタイルは顧客の課題解決に貢献し、付加価値の高い提案をしたいという人に適しています。顧客のビジネスや業界に関する深い知識を持ち、コンサルティングのような提案を通じて、顧客の成功を支援します。

これらのスタイルは、それぞれ異なるスキルや経験を必要とします。新規開拓型であれば積極性や行動力、コミュニケーション能力が求められます。ルート営業型であれば顧客との信頼関係を築くための誠実さや丁寧さ、長期的な視点が重要です。ソリューション営業型であれば、顧客の課題を分析し、最適な解決策を提案するための論理的思考力や提案力が不可欠です。

自分自身の強みや興味、キャリアプランなどを考慮し、最適なスタイルを選択することが重要です。例えば人と話すことが好きで新しい出会いを求めるのであれば、新規開拓型が向いているかもしれません。一方、顧客との長期的な関係性を築き、じっくりと信頼関係を深めていきたいのであればルート営業型が合っているかもしれません。顧客の課題解決に貢献し、専門性を高めていきたいのであればソリューション営業型が適しているのでしょう。

どのスタイルが自分に合っているかわからない場合は、さまざまな営業スタイルを経験してみるのもよいでしょう。新規開拓型の部署に配属された後、ルート営業型の部署に異動するなど、社内でキャリアチェンジすることも可能です。自分に合ったスタイルを見つけることで、フィールドセールスとしてのキャリアをより充実させ、長期的な成功につなげることができるでしょう。

まとめ

営業職は、企業の事業成長を支える重要な役割を担います。特にフィールドセールスは、成果次第で高収入を狙える職種であり、経験を積むことでマネージャーや管理職へのキャリアアップも可能です。

現在の求人市場では営業経験者の管理職の採用が増えており、入社後に早期昇進のチャンスがある企業も多く存在します。特に組織全体の営業戦略を考えられる人材は高く評価されます。

営業職として成長するためには、単独で成果を上げるだけでなく、チームを動かし、事業拡大に貢献する視点が必要です。適切な環境を選び、自分に合ったキャリアを築くことが、長期的な成功につながります。