
フィールドセールスの成功にはツールが不可欠?必要なツール、導入するメリットを紹介
営業活動の中でも『フィールドセールス』は、顧客との対話を通じて製品やサービスを提案し、契約へと結びつける重要な役割を担っています。特に、高単価な商材やカスタマイズが必要なサービス、そして競争が激しい市場においては、フィールドセールスの成果が売上を大きく左右します。その一方で、訪問営業には移動時間のロスやスケジュール管理の煩雑さ、商談内容の記録・共有の難しさなど、多くの課題も存在します。
こうした課題を解決し、営業の成果を最大化するために重要なのが『営業支援ツール』の活用です。営業支援ツールを適切に導入し、業務を効率化することで、より多くの商談をこなし、質の高い営業活動を実現できます。しかし、どのようなツールを導入すればよいのか、またツールを使いこなすためにどのようなポイントに注意すべきなのかを理解しておかなければ、せっかくのツールも活用されずに終わってしまうことがあります。
本記事では、フィールドセールスの基本や、求められるスキル、業務を効率化する方法、おすすめの営業支援ツールの紹介を通じて、フィールドセールスを成功させるためのポイントを解説します。
フィールドセールスとは?
フィールドセールスとは、営業担当者が顧客を訪問し、対面で商談をする営業手法を指します。企業が製品やサービスを販売する際、営業活動のスタイルは大きく『フィールドセールス(訪問営業)』と『インサイドセールス(非対面営業)』の2種類に分けられます。
フィールドセールスは、特に高単価な商材や、導入に専門的な知識を要する製品やサービスを扱う企業で重要視される手法です。たとえば、ITシステムやSaaS(クラウドサービス)、産業機械、不動産、コンサルティングサービスなど、顧客の課題に応じて柔軟に提案する必要がある場合は、対面営業が不可欠になります。
フィールドセールスの役割
フィールドセールスの担当者は、製品やサービスを売るだけではなく、顧客の課題を解決するパートナーとしての役割も担います。営業プロセスの各段階で適切な対応をすることが求められ、以下のような役割が重要になります。
①顧客の課題をヒアリングし、適切なソリューションを提案する
フィールドセールスの最も重要な役割は、顧客の抱える課題を把握し、それに対して最適な提案をすることです。商談の中で『どのような課題を抱えているのか』『どのような解決策を求めているのか』をヒアリングし、それに合わせた製品やサービスを紹介することで、顧客のニーズに合った提案ができます。
②顧客との信頼関係を築く
BtoB営業では、単発の取引による短期的な関係ではなく長期的な関係を築くことが重要です。フィールドセールスは定期的に顧客を訪問し、情報提供やフォローアップをすることで信頼関係を深めていきます。特に、大企業のように意思決定プロセスが複雑な顧客に対しては、関係構築のための継続的なアプローチが求められます。
③社内の他部門と連携し、顧客対応を最適化する
フィールドセールスは、営業活動の最前線に立つだけでなく、マーケティングやカスタマーサポート、開発チームなど社内の他部門と連携し、顧客への最適な対応を実現する役割も担っています。
例えば、インサイドセールスが獲得したリード(見込み顧客)をフィールドセールスが引き継ぎ、詳細な商談をするという流れをスムーズに進めるためには、適切な情報共有が必要です。また、顧客のフィードバックを開発チームに伝え、製品改善につなげることもあります。
④競合との差別化を図る
市場には多くの競合が存在し、顧客は複数の選択肢を比較検討しています。そのため、競合他社との差別化ポイントを明確に伝えることも、フィールドセールスの重要な役割です。価格や機能だけでなく、自社の強みやサポート体制、導入後のメリットを具体的に伝えることで、顧客の意思決定を後押しします。
このように、フィールドセールスは単なる『売り手』ではなく、顧客の課題を解決するコンサルタントとしての役割も担います。顧客との関係を深めながら、最適なソリューションを提案し、企業の成長に貢献する重要な存在なのです。
フィールドセールスが求められる業界・商材
フィールドセールスは、業界や商材によってその必要性や重要性が異なります。特に、高単価な製品やサービスの導入に当たってカスタマイズが必要なソリューションを扱う業界では、対面営業が欠かせません。
例えば、BtoB(法人向け)営業でフィールドセールスの重要性が増す傾向があります。ITソリューションやSaaS(クラウドサービス)、コンサルティング業界では、顧客ごとに異なる課題に対して最適な提案をすることが求められます。そのため、対面での詳細なヒアリングを通じて顧客のニーズを深掘りし、それに応じたソリューションを提供することが重要です。
高単価な商材を扱う業界でもフィールドセールスは非常に重要です。不動産や産業機械、設備投資関連の製品などは、企業にとっては長期的な投資であるため慎重に検討されるため、営業担当者が直接訪問し、詳細な説明やデモンストレーションを実施することは欠かせません。特に、価格が高く、導入までに時間がかかる製品ほど顧客との信頼関係の構築が不可欠です。
カスタマイズが必要な商材を扱う場合も、フィールドセールスが活躍します。たとえば、ERP(基幹業務システム)や広告・マーケティング支援サービスなどは、顧客ごとに要件が異なり、パッケージ販売が難しいため、対面での詳細な打ち合わせが必要になります。こうした商材では、単なる製品説明ではなく、顧客の業務プロセスや課題を理解した上で、最適なソリューションを提案することが求められます。
フィールドセールスの流れ
フィールドセールスの営業活動は、単に顧客を訪問して商談をするだけではなく、リードの獲得から契約後のフォローまで、複数のステップを経て成り立っています。営業プロセスをしっかりと把握し、それぞれのフェーズで適切に対応することが重要です。
①リードの獲得(見込み顧客の発掘)
フィールドセールスの営業活動は見込み顧客の発掘から始まります。リードの獲得方法としては、展示会やセミナーの参加、Webマーケティング、インサイドセールスとの連携などが挙げられます。例えば、企業のWebサイトに資料を請求した見込み顧客に対し、インサイドセールスがアプローチし、商談の機会を創出するという流れがよく採用されています。
②アポイントの取得
リードを獲得した後は商談の機会を作る必要があります。メールや電話を活用して顧客にアプローチし、商談の日程を調整します。この段階では、顧客の関心を引くための適切なトークや提案のポイントを準備することが重要になります。
③商談(ヒアリングと提案)
商談では、まず顧客の課題を深くヒアリングし、その上で最適なソリューションを提案します。商談は以下のようなステップが考えられます。
1.事前に顧客の業界やニーズをリサーチする
2.顧客の抱える課題をヒアリングする
3.自社の製品・サービスを用いた解決策を提案する
4.競合との差別化ポイントを明確に伝える
5.質疑応答を行い、顧客の不安や疑問を解消する
このフェーズでは、顧客に『この製品・サービスが自社の課題解決に役立つ』と納得してもらうことが重要になります。
④クロージング(契約締結)
商談を重ね、顧客が導入を前向きに検討し始めたら、クロージングに進みます。ここでは、価格交渉や契約条件の調整が必要になることが多く、フィールドセールスのスキルが問われます。また、契約までのハードルを下げるために、トライアル導入や特別なキャンペーンを活用することも有効です。
⑤アフターフォロー・関係構築
契約が成立した後も、フィールドセールスの仕事は続きます。顧客に製品やサービスをスムーズに導入してもらうため、サポートやフォローアップを実施し、継続的な関係を築くことが重要です。特にBtoB商材では、長期的な取引につなげるために、定期的な訪問やアップセルの提案が求められます。
フィールドセールスの課題と解決策
フィールドセールスは、企業の売上に直結する重要な役割を担っていますが、一方で幾つかの課題も存在します。これらの課題を解決することで、営業活動の効率を向上させ、より高い成果を出すことが可能になります。
①移動時間とコストの負担
フィールドセールスの大きな課題の一つが、移動時間とコストの負担です。訪問営業は対面での商談ができる反面、一日に訪問できる件数に限りがあり、移動に多くの時間が取られることがデメリットとなります。
解決策:
・訪問ルートを最適化し、移動時間を短縮する
・オンライン商談ツール(ZoomやMicrosoft Teamsなど)を活用し、訪問回数を減らす
②顧客情報の管理が煩雑
営業担当者が個別に顧客情報を管理していると、情報が分散し、社内での共有が難しくなるという問題があります。また、担当者が異動や退職した際に、顧客との関係が途切れてしまうリスクもあります。
解決策:
・CRM(顧客管理システム)を導入し、情報を一元管理する
・SFA(営業支援システム)を活用し、営業活動を可視化する
③営業活動の属人化
営業担当者ごとに営業手法が異なると成果がばらつくだけでなく、成功のノウハウが共有されにくいという問題があります。
解決策:
・営業プロセスを標準化し、ベストプラクティスを共有する
・SFAを活用し、営業データを分析して改善サイクルを回す
これらの課題を解決し、フィールドセールスの生産性を向上させることで、企業の売上拡大につなげられます。
フィールドセールスに求められること
フィールドセールスは単なる製品の説明者ではなく、顧客のビジネスパートナーとしての役割が求められます。そのため、以下のようなスキルが不可欠となります。
高度なコミュニケーション能力:
顧客の話を注意深く聞き、意図を正確に理解する傾聴力、自身の考えや提案を分かりやすく伝える説明能力、そして顧客との良好な関係を築くためのコミュニケーション能力が重要です。
深いヒアリング力と質問力:顧客が抱える潜在的な課題やニーズを引き出すための質問力、そして表面的な情報だけでなく、本質的な課題を見抜くための深いヒアリング力が求められます。
的確な課題解決能力と提案力:
顧客の課題を明確に特定し、自社の製品やサービスがどのようにその課題を解決できるのかを具体的に示す提案力が必要です。単に製品の機能を紹介するのではなく、顧客にとっての具体的なメリットを提示することが重要です。
優れたプレゼンテーション能力:提案内容を効果的に伝えるためのプレゼンテーションスキルは不可欠です。資料作成能力に加え、聞き手を惹きつける話し方や構成力も求められます。
高い折衝・交渉力:
商談を進める中で、価格や条件など、顧客との間で意見の相違が生じることは少なくありません。双方にとって納得のいく解決策を見出すための折衝・交渉力が重要となります。
効果的な時間管理能力と計画性:限られた時間の中で最大の成果を出すためには、訪問計画の立案、移動時間の管理、商談時間の配分など、高い時間管理能力と計画する能力が求められます。
基本的なITリテラシー:
CRMやSFAなどのツールを活用し、業務を効率化するための基本的なITリテラシーが必要です。
自律性と主体性:
上司や同僚の指示を待つのではなく、自ら考え、行動し、目標達成に向けて主体的に取り組む姿勢が重要です。
変化への適応力:
市場環境や顧客のニーズは常に変化します。そうした変化に柔軟に対応し、常に新しい知識やスキルを習得していく姿勢が求められます。
フィールドセールスを効率化する方法
フィールドセールスの効率化によって営業担当者の負担を軽減し、より多くの顧客へアプローチを可能にすることで、売上向上に直結させられます。以下に、フィールドセールスを効率化するための具体的な方法を紹介します。
ターゲット顧客の明確化と優先順位付け:
全ての見込み顧客に均等に時間をかけるのではなく、成約の可能性が高い顧客や、自社にとって重要な企業を明確にし、優先的にアプローチをすることで、効率的な営業活動が可能になります。データ分析に基づいたターゲティングが重要です。
訪問前の徹底的な準備:
顧客訪問前に企業情報や過去の取引履歴、担当者の情報などを十分に調査し、訪問の目的や話す内容を具体的に準備しておくことで、商談の質を高め、時間を有効活用できます。
効果的な移動手段の選択とルート最適化:
複数の訪問先がある場合、最適な移動手段を選択し、訪問ルートを効率的に計画することで、移動時間を大幅に削減できます。ルート最適化アプリなどのツールの活用も有効です。
オンラインツールの積極的な活用:
・Web会議システム:遠方の顧客や、対面での訪問が難しい状況でも、オンラインで商談や打ち合わせをすることができます
・チャットツール:顧客や社内メンバーとの迅速なコミュニケーションを可能にし、疑問点の即時解決や情報共有を促進します
・オンラインストレージ:提案資料や契約書などをクラウドで共有することで、資料の持ち運びの手間を省き、最新情報を常に共有できます
営業資料の標準化と共有:
提案書や見積書、会社紹介資料など、頻繁に使用する営業資料を標準化し、営業チームで共有することで、資料作成にかかる時間を削減し、資料の品質を均一化できます。
顧客情報のデジタル管理と活用:
CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)などのツールを活用し、顧客情報や商談履歴、コンタクト履歴などを一元管理することで、過去のやり取りを迅速に把握し、顧客に合わせた提案やフォローアップが可能になります。蓄積されたデータを分析することで、営業戦略の改善にもつながります。
インサイドセールスとの連携強化:
見込み顧客の開拓や初期評価をインサイドセールスが担当し、有望なリードをフィールドセールスに引き継ぐことで、フィールドセールス担当者は成約に近い顧客への対応に集中できます。データに基づいたリードの連携が重要です。
マーケティング部門との連携:
マーケティング部門が獲得したリード情報や、実施したマーケティング施策の結果などを共有することで、より効果的な営業活動を展開できます。
日報や報告業務の効率化:
音声入力やテンプレートの活用などにより、日報や報告書の作成にかかる時間を短縮し、本来の営業活動に時間を割けるようにします。
フィールドセールスにおすすめの営業支援ツールとは
フィールドセールスの成功には、顧客との信頼関係を築くことはもちろん、営業活動の効率化が欠かせません。特に顧客情報の管理や商談の進捗管理、チームでの情報共有を円滑にするためには、適切な営業支援ツールの導入が重要です。営業活動をデータ化し、戦略的に進めることで、見込み顧客の育成(リードナーチャリング)や、成約率の向上を実現できます。
CRM(顧客管理システム)
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客との関係性を構築し、維持・強化するためのシステムです。顧客のあらゆる情報を一元的に管理し、営業やマーケティング、カスタマーサクセスといった部門間の連携を強化し、顧客体験の向上を目指します。
例えば、フィールドセールスの現場では、『過去にどのような提案をしたか』『誰がどんな対応をしたか』『現在の商談状況はどうなっているか』といった情報を把握することが重要です。CRMを活用することで、こうした情報を一目で確認できるため、担当者の変更があった場合でもスムーズに引き継ぎが可能になります。
CRMの活用メリット
・顧客情報の可視化と一元管理により、担当者間の情報共有がスムーズになり、顧客への迅速かつ適切な対応が可能になります
・過去のコンタクト履歴や購買履歴を把握することで、顧客一人一人に合わせたパーソナライズされた提案や対応が実現し、顧客満足度とロイヤリティを向上させられます
・マーケティング部門との連携により、リードの獲得から育成、営業への引き渡しまでの一連の流れを最適化し、営業活動の効率を高めます
・蓄積されたデータを分析することで、顧客のニーズや行動パターンを把握し、より効果的な営業戦略やマーケティング施策の立案に役立てます
・メールマガジン配信やセグメント配信などのマーケティング機能を活用することで、見込み顧客の育成を自動化し、営業への有望なリード供給を促進します
おすすめのCRMツール
Salesforce(セールスフォース):世界的にシェアの高いCRMで、多機能かつカスタマイズ性が高い
HubSpot CRM:無料プランもあり、中小企業でも導入しやすい
Zoho CRM:コストパフォーマンスに優れたCRMツール
Microsoft Dynamics 365:Microsoft製品との連携が強み
SFA(営業支援システム)
SFA(Sales Force Automation)は、営業活動を支援し、自動化するためのツールです。CRMが顧客情報を管理するのに対し、SFAは営業のプロセスや商談の進捗を管理し、営業活動の効率を向上させることを目的としています。
フィールドセールス担当者は複数の案件を同時に進めるのが一般的です。そのため、『どの案件がどのフェーズにあるのか』『次にどのアクションを取るべきか』を適切に管理する必要があります。SFAを活用することで、商談の状況をリアルタイムで把握し、営業の抜け漏れを防げます。
SFAの活用メリット
・営業活動のプロセスを可視化し、標準化することで、担当者による成果のばらつきを抑え、チーム全体の営業力を底上げします
・商談の進捗状況をリアルタイムに把握できるため、遅延している商談やフォローが必要な顧客を早期に特定し、適切な対応できます
・活動報告や日報作成などの事務作業を効率化することで、営業担当者はより多くの時間を顧客とのコミュニケーションや提案活動に費やせます
・売上予測機能を活用することで、目標達成に向けた具体的なアクションプランを立てやすくなり、営業目標の達成しやすくなります
・モバイルアプリを通じて、外出先からでも顧客情報やスケジュールを確認したり活動報告を入力したりできるため、移動時間などの隙間時間を有効活用できます
おすすめのSFAツール
Salesforce Sales Cloud:業界トップクラスのSFAツールで、カスタマイズ性が高い
kintone:シンプルなUIで操作しやすく、ノーコードでのカスタマイズか可能
eセールスマネージャー:日本の企業向けに最適化されたSFAツール
MA(マーケティング自動化ツール)
MA(Marketeing Automation)は、見込み顧客の獲得から育成、顧客化までの一連のマーケティング活動を自動化し、効率化するためのツールです。有望なリードを効率的に獲得し、商談につなげるために活用されます。
MAの活用メリット
・見込み顧客の興味や行動履歴に基づいて、パーソナライズされた情報を自動的に提供することで、効率的にリードを育成できます
・スコアリング機能により、購買意欲の高いリードを自動的に抽出できるため、フィールドセールス担当者は成約に近い顧客に集中してアプローチできます
・メールマーケティングやステップメールなどの機能を活用することで、多数の見込み顧客に対して効率的に情報発信し、関係性を構築できます
・SFAやCRMと連携することで、MAで育成された有望な情報をスムーズに営業部門に引き継ぎ、営業活動の効率を高めます
・マーケティング活動の効果を測定して改善を繰り返すことで、マーケティングROIを最大化し、営業成果の向上に貢献します
オンライン商談ツール
近年、訪問営業だけでなく、オンライン商談を活用する企業が増えています。移動時間を削減し、商談の頻度を増やせるため、フィールドセールスの効率向上に大きく貢献します。
オンライン商談ツールの活用メリット
・移動時間を削減し、1日に対応できる商談数を増やせる
・初回商談やフォローアップに活用することで、訪問の負担を軽減できる
・商談内容を記録できるため、後から振り返りが可能
おすすめのオンライン商談ツール
Zoom:安定した接続品質と豊富な機能
Microsoft Teams:Office製品との連携が強み
Google Meet:Googleカレンダーとの連携が便利
ベルフェイス:営業特化型のオンライン商談ツール
その他フィールドセールスに役立つツール
上記以外にも、フィールドセールスの効率化に役立つさまざまなツールがあります。
ルート最適化アプリ:複数の訪問先に対して、最適な移動ルートを自動計算し、移動時間を短縮します。
地図情報共有ツール:顧客の位置情報を地図上で共有し、訪問計画の作成や進捗状況の把握に役立ちます。
名刺管理ツール:交換した名刺をスキャンしてデータ化し、顧客情報として管理できます。SFAやCRMと連携できるものもあります。
チャットツール:社内メンバーや顧客との迅速なコミュニケーションに役立ちます。
音声認識ツール/議事録作成ツール:商談内容を自動でテキスト化し、議事録作成の時間を短縮します。
電子契約サービス:紙の契約書が不要になり、契約締結までの時間を大幅に短縮できます。
営業支援ツールを使用する際の注意点
営業支援ツールを導入することで営業活動の効率化が期待できますが、適切に活用しなければ、期待した成果が得られないこともあります。導入時に気をつけるべきポイントを整理しましょう。
ツール導入が目的化しないようにする
ツールを導入すること自体が目的になってしまい、実際の営業活動に生かせないケースが少なくありません。導入前に『どの課題を解決するためにツールを導入するのか』を明確にし、目的に合ったツールを選定することが重要です。
使いやすさを重視する
多機能なツールを選んでも営業担当者が使いこなせなければ意味がありません。現場の意見を取り入れながら、使いやすさを重視したツールを選びましょう。また、導入後の研修やマニュアル整備をし、スムーズな定着を図ることも重要です。
活用ルールを統一する
ツールを導入しても、営業担当者ごとに使い方が異なると、データの一貫性が保てません。例えば、CRMに顧客情報を登録する際のフォーマットを統一し、チーム全体でルールを共有するなどの取り組みが挙げられます。
定期的にツールの効果を評価する
導入したツールが実際に営業活動の改善につながっているのかどうかを定期的に評価することも重要です。導入後もPDCAを回し、より効果的な活用方法を模索していきましょう。
適切な営業支援ツールを活用し、フィールドセールスの業務効率を高めることで、より多くの商談機会を創出し、成約率を向上させられます。ただし、導入するだけではなく、営業現場でしっかりと運用し、成果につなげることが重要です。
まとめ
フィールドセールス顧客との直接のコミュニケーションを通じて信頼関係を構築し、複雑な提案をするための非常に有効な営業手法です。しかし、現代のビジネス環境においては、時間や場所の制約を克服し、より多くの見込み顧客に効率的にアプローチするために、営業支援ツールの導入と活用が不可欠といえるでしょう。
CRMやSFAといった主要なツールに加え、MAやその他の効率化ツールを組み合わせることで、フィールドセールス担当者は、顧客情報の的確な把握、商談プロセスの最適化、業務の自動化などを実現し、より戦略的な営業活動に注力できます。
ツールの導入は単なる業務効率化に留まらず、データに基づいた意思決定を可能にし、営業戦略の精度を高め、最終的には売上向上に大きく貢献します。ただし、ツールの効果を最大限に引き出すためには、明確な導入目的の設定、現場のニーズに合ったツール選定、適切な運用体制の構築、そして継続的な改善が不可欠です。
インサイドセールスとの連携を強化し、オンラインでのコミュニケーションも積極的に取り入れることで、フィールドセールスは更なる効率化と成果向上を実現できるでしょう。今こそ、営業支援ツールの導入を真剣に検討し、競争優位性を確立すべき時といえます。