必読!電話営業のコツ!テレアポでの成約率を上げるためには

『対面営業』のように相手の顔を見て話すことのできない『電話営業』いわゆる『テレアポ』は、営業の中でもとりわけ難しいとされています。相手が何を考えているのかを、声色や口調から汲み取らなければならないからです。相手からもこちらの顔が見えないので、言葉だけで良し悪しを判断されてしまいます。

『対面営業』に比べると成約に結びつきにくい電話営業ですが、幾つかのポイントを意識するだけで成約率を上げ、『苦手意識を取り除くことができます。本稿ではその方法を紹介します。

電話営業における準備

まず、電話営業をする際に心掛けるべきポイントを6点紹介します。

適性な顧客リストの作成

電話営業では顧客リストおよび架電リストは必須になります。このリストから順次電話を掛けるのですが、本来営業対象ではない顧客に営業しても成約に繋がらず、むしろ無駄な時間と人件費がかかります。数をこなすだけでなく質の高い顧客リストを作成することで成果に繋げる必要があります。

質の高いリストとはなにか?

質の高いリストとは、売り込む商材に合ったターゲット層に絞り込み、潜在的購入欲を持つ顧客の一覧です。質の良いリストは、成約率・獲得率を上げることに繋がります。成果が芳しくない場合は、ターゲットが本当に商材に合っているのかどうかを見直し、問題点を洗い出す必要があります。

顧客リストがどういうリストものなのかを理解する

電話営業をする際は、あらかじめ顧客リストのチェックをしておきます。質の高いリストであれば不要な顧客はリストに載りません。そのため、相手の年齢や性別、職業などの情報を丁寧に把握することで、架電の準備ができます。

例えば、飲食業の法人であれば、昼時を避けて時間の空きそうな15時頃に営業をかけるなどの配慮をします。営業時刻が17時までの法人であるのなら営業時間内に電話を掛けるなど、架電するタイミング1つをとっても相手への気遣いを持つことが大切です。電話と言えど、相手からの第一印象を大きく左右するのは変わりません。相手の気持ちにゆとりがなければ耳を傾けてもらうことすら叶いません。顧客リストもまた、情報の一つであることを肝に銘じておく必要があります。

慣れていない場合はトークスクリプトを用意する

トークスクリプトとは、トークの見本が書かれた電話営業のマニュアルです。まず挨拶から入り、展開によって異なるトークで対応するなどの情報を記したもので、慣れていない場合はスクリプトを活用して営業することで緊張を緩和できます。営業経験を積めば、トークスクリプトに記された一連の流れを自然に再現できるようになるので、トークスクリプトを見ずとも電話営業できるようになるでしょう。

トークスクリプトを使用する上で重要なことは、実際にそのトークスクリプトが営業実績を上げているかどうかです。新規顧客を獲得できない見本をいくら参考にしても顧客の獲得はできません。成功体験や実績を積んだトークスクリプトを、より多くのパターンごとに活用できるよう細分化して用意することが、顧客獲得の近道になります。

トークスクリプトは会社の共通のマニュアルとして用意されることが多いですが、自分の苦手な言い回しを無理に口にする必要はないため、相手に失礼がない範囲で、自分の言いやすい言葉に変換しても問題ありません。

切り返しトーク集を作成する

一連の流れを記したトークスクリプトとは別に、あらゆる質問や断り文句に対する切り返しを記したトーク集を作成しましょう。いざというときに、臆することなく自信を保ったまま答えることができます。

想定する質問を頭の中で描いても、予想外の質問が飛んでこないとも限りません。想定外の質問がくることを予想できるということは、そういった質問をする人がいるということです。想定外の質問が来た際、しっかりと回答を持っているかいないかで、営業の成果に大きく差が生まれます。切り返しトーク集に随時新しい質問を加え、質問に対する回答例を用意しておきましょう。

断わり文句とは、営業電話に対して多くの顧客が使用する断りの言葉のことです。
・『今は忙しいから』
・『必要ないから』
・『他の会社の〇〇を使っているから』

上記のような言葉を投げられると、望みは薄いかなと思って引き下がりたくなるでしょう。ここで切り返しトークを使用できれば会話を繋げられる可能性が生まれます。
・『今は忙しいから』→『それでは、忙しくない時間や日にちを教えて貰えると幸いです』
・『必要ないから』→『〇〇は持参されているということでしょうか?』
・『他の会社の〇〇を使っているから』→『現在、使用されているもので、改善してほしい点などはありますか?』

このような切り返しをすることで、顧客と会話をする機会が増える可能性があります。しかし、中には本当に時間がない顧客であったり、必要がないと考えたりしている顧客がいたりと様々です。見込みのない相手だと早く切り捨てるのではなく、本当に可能性がないのかどうかを模索する必要がありそうです。なお、相手に断り文句を続けられた場合は即座に営業を辞めましょう。しつこすぎるのは会社のイメージダウンに繋がりかねません。

可能な限り意思決定に近い人宛に電話をする

例えば掃除機を販売する場合、どれだけ性能の優れた掃除機でも相手が掃除機を手にしたいと思わなければ購入は難しいでしょう。提案したものが相手の需要に合わなければ、どれほどアタックしようとも購入することはありません。

電話営業において成約率を上げるということは、いかに顧客の需要に見合った提案ができるかどうかにあります。商品の中身を紹介するよりも早く、そもそも相手に需要があるのかを考える必要があります。当然、顧客の心の奥底まで読み解くことはできませんので、顧客リストやトークから探る必要があります。わずかでも耳を傾けてくれる顧客は、少なからず貴方が提案した商材に興味を示し、潜在的に購入欲を持ち合わせています。なるべく意思決定に近い顧客に営業することが成約率と効率を上げていくことが必要になってきます。

電話営業のコツ

次に実際の電話営業で役立つ12のコツを紹介します。分量が多いですが、最後まで読んで電話営業の知識を深めていただけたらと思います。

堂々と自信を持って話す

人は自信がないと声が小さくなります。声が小さくなれば、相手に提案したいことを全て伝えづらくなります。また、担当者が自信を持って話していないと受け止められた場合、提案した商材そのものの印象が悪くなります。堂々たる自信が商品アピールに繋がることを念頭に入れておかなければなりません。

特に新規で電話を掛ける場合、担当者が企業の看板を背負って話すことになるという意識を持たなければなりません。態度が悪ければ、そのまま企業の評価・印象が悪くなります。1回の電話を数ある1つの機会過ぎないと考えず、1つ1つを丁寧にすることを心掛ける必要があります。

声のトーンを上げて話す

人間はまず、人の容姿といった視覚情報を収集をします。その次に声色や話し方といった聴覚情報を基に他人の印象を判断します。電話営業の際、一番相手の印象付けに繋がるのは聴覚情報です。特に第一声で印象を判断されることが多いです。

声のトーンを上げるとは、つまり声を明るくするということです。声を明るくするというのは単に高い音で話すという意味ではなく、メリハリをつけて話すという意味も兼ねています。地声で淡々と話すのではなく元気にハキハキ喋ることで、声のトーンは上がります。トークの中で、相手にどうしても伝えたい重要な部分で声色を調整することで、相手の興味を惹くことが可能となります。

ゆっくり話す

まずは顧客に耳を傾けてもらわなければいけません。そこで、ゆっくり話すことを意識する必要があります。緊張していたり質問をされたりした場合、どうしても喋る速度が上がりがちです。早口になってしまうと、相手は聞き取りづらい上、自信のない印象を与えかねません。

ゆっくり話すことができれば、一方的に提案するのではなく、相手がコミュニケーションをとる隙を作れます。このようにトークスピードも重要だということが分かります。

何者で何を提案するのかを簡潔に伝える

顔も知らない相手から突然いい話があるからと提案されても怪しさが募るばかりです。聞く耳を持ってもらうどころか、即座にあしらわれて電話を切られてしまうのが目に見えます。そこで、営業担当者の身分を丁寧に明かすことで、少しでも相手の警戒心を解くことが大切です。

どこの会社で何という名前であるのかを明かし用件を分かりやすく完結に説明することで、相手に与えるストレスを軽減し、耳を傾けてもらえる確率や、上司に取り次いでもらう確率を上げられます。その際は提案するタイミングを間違わないように注意しましょう。

メリットを簡潔に伝える

提案内容を簡潔に伝えたのはいいものの、購入することで、顧客に何が得になるのかが伝わってなければ意味がありません。当然、メリットを伝えなければいけませんが、長ったらしく伝えるのではなく、短くリズム良く伝える必要があります。以下のように簡潔にすることで、相手はメリットを理解しやすくなります。

1.〇〇円で大変安い
2.〇〇だから使い勝手がいい
3.〇〇に比べて〇〇が優れている

自己紹介から提案まですべて簡潔にすることで、顧客の時間を最低限しか奪わず、最後まで聞いてもらえる確率が上がります。

営業感を出さない

営業電話は一般的に嫌われています。特に働いていたり作業していたりする中で電話がかかってくると鬱陶しくて不快に思われます。そこに油を火で注ぐかのように、『販売』や『ご案内』といった営業する気満々の言葉が並ぶと、聞く耳を持ってもらうのは困難です。そこで、『ご提案』や『ご確認』といったニュアンスの言葉を使用すると営業感が薄まり、相手は少しだけ話を聞いてみようかなという意識に変化することがあります。

また、特別感を出すことで興味を惹かせる手法もあります。例えば、不特定多数の企業に営業をかけていると思わせるのではなく、『当社の製品を扱って頂くにふさわしい企業様を選出させていただきました』と、少々大げさな言い方をするだけで特別感を演出できます。特別扱いをされて嫌な人はいません。むしろ、特別待遇で受けられる商品について知りたいと考える可能性が高く、積極的に訊ねてくるチャンスがあります。ただ、あまりに大げさなことを言いすぎると、嘘っぽさが増すので要注意です。

途中で文章を区切って一方的に話さない

流暢に話すことで相手は聞き取りやすいですが、話が一方的に進みすぎると自己中心的な印象を与え、顧客が置いてけぼり状態になります。時にはゆっくりと話して会話の隙を生むことで、相手の意思を拾うことができます。

長い説明は顧客のストレスになるので、言葉を短く区切りながら簡潔に説明することで理解を深めることが可能になります。顧客と会話のキャッチボールがしっかりとできているかどうかによって成果が変わることを意識しなければなりません。

顧客が話しはじめたらとにかく聞く

営業は、提案すると同時に顧客の悩みや疑問に寄り添うことが重要になります。一方的に提案をするのではなく、顧客が何を考え、何を望んでいるのかという情報を引き出し、解決に導く必要があります。そのためには、顧客の話を遮ることなく相手が話し終えるまで傾聴する姿勢で向き合うことが重要です。

話を聞いてもらえているという実感は、安心感や信頼感を生み距離を縮めることに繋がります。営業をするという気持ちを抑えられなければ、本来、成約に近かった顧客ですら遠ざけてしまうことになります。

営業トークに縛られ過ぎない

商材を売り込む気持ちが強すぎると相手は敬遠します。営業トークは押しすぎない程度に抑え、相手との距離を着実に縮める必要があります。リストから分かる顧客の情報から自分との共通点を発見し、会話に織り交ぜてみるのもいいかもしれません。お互いに共通点があると、親近感を抱くことで顧客の不安は解消されやすくなります。

また、相手企業が販売している商材などを事前にリサーチできていれば、その商材について話すのも効果的です。自社の商品を知っているというだけで、どことなく嬉しくなるものです。顧客の抵抗感をなくしてあげることも、営業において必須なスキルです。

トークスクリプトに縛られない

トークスクリプトを扱いなれてくると自然と言葉が出てきます。一方でトークスクリプトは良くも悪くも定型文で機械的な対応となります。相手によっては、人間味を感じないという理由で話しを聞かないこともあります。トークスクリプトはあくまでも参考にすぎないので、必ずしも従う必要はありません。

顧客に合わせて話す内容を柔軟に変えることで、相手との距離が縮まり、アポイント獲得に持っていきやすくなります。ただ、会話が弾んだとしても、成約に繋がらない顧客との会話をダラダラ続けていては無駄な時間を過ごすことになります。早い段階で見込み客になりうるかどうかを判断する必要があります。

断りやすい空気を作らない

顧客を相手する際、どうしても迷惑をかけまいと下手に出てしまいがちです。最低限の礼儀は必要ですが、相手が断りやすい空気を作らないよう心掛けないといけません。

例えば、『今、お忙しいでしょうか?』という質問に対して、多くの人は『忙しい』と答えます。それは、忙しくなくても相手にするのが面倒だという意思表示でもあります。『お忙しいところ恐れ入ります』といったように言い切ることで、相手に断らせる隙を作らないコツを覚えていると、本筋である提案に入りやすくなります。

アポイントを取れなくても次につながる話をして終わる

営業トークを聞いてくれたからといって、即座にアポイントを獲得できるわけではありません。その際は、次につながる会話をすることで、次回の機会に向けて顧客が考える時間を作ってあげます。むしろ、ダラダラとしつこく提案しても、顧客は不快な思いをします。顧客の気持ちをないがしろにしないように、退く時は退くといった柔軟な対応が肝心です。

プライベートで買い物する際、本当に自分に必要なのかどうかをじっくり考えるでしょう。即座に購入するケースもありますが、価格が上がればその分だけ慎重になります。顧客に考える時間を与えることは、じっくり商材と向き合ってもらうことにも繋がります。試してみようと思う気持ちになれば、情報を収集したいと考えます。その結果、アポを獲得し提案の営業を進められるようになります。手応えを感じた顧客のリストを作成しておくと、新たな商材が出た際に再び営業をかけやすくなります。

電話営業におけるマインド

断られるのが当たり前と割り切り次の電話をする

新規の営業電話を受けてくれる数は10件に1件あれば十分です。興味を示されないまま対応されるのが普通で、最悪の場合、怒鳴られて切られることもあります。その度に気持ちを沈めていては、次の顧客と明るいトーンで会話をすることができません。断られることが当然という精神で向かわなければ心が疲弊し、余裕が消えてしまいます。上で示した、営業のコツで記した『自信を持って話す』『トーンを明るくする』『ゆっくり話す』を実践するには、心の切り替えをできるようにする必要があります。

間を怖がらない

緊張していたり相手の言動が気になったりすることで、顧客が話す前に喋り出してしまうと、顧客は無視されたと感じるかもしれません。間が長いほど耐え切れずに焦って喋ってしまいがちですが、顧客が熟考している時間だと考え、無暗に話しかけないよう注意が必要です。購入するのは決裁者ですので、悩むのは当然。焦って回答を誘導しようものなら、相手は『じゃあ、いいです』となりかねないです。

人にはさまざまな性格があるので、それを踏まえなければいけません。中にはマイペースな人や間の取り方が極端に遅い人もいます。弾丸トークで向こうのペースに持ち込まれるケースもあります。間とは、営業担当者だけが作るものではなく、顧客によっても作られるということを念頭に入れ、どのようにしたらいかなる状況でも対応できるか、シミュレーションしておくことが大切です。

考えてもわからないところまで振り返らない

営業相手には十人十色の考えや性格があります。営業において何が正解だったのか、何が間違いだったのか、明確な答えは分かりません。反省することは大切ですが、電話営業には限界があることを知っておく必要があります。対面営業とは違い、電話越しで相手の心情をすべて察することは困難です。振り返っても解決に至らないことを無理に考える必要はありません。それよりも、次の顧客に向けて気持ちを切り替えることのほうが大切です。

電話営業が上手な先輩・同僚から技術を盗む

自分ではできていると思っても結果が伴わないことは多々あります。客観的に見なければ、自分のどこが悪いのか分からないことはあるでしょう。上司や先輩、同僚に自分の電話営業を見てもらって客観的な意見を貰うことで、良いところと悪いところを洗い出せます。ロールプレイングを通して成長するだけでなく、他の社員との交流が増えるキッカケにもなります。

一方で、ロールプレイングには時間を要するので、協力を仰ぐことは難しいかもしれません。その場合、電話営業が得意な人の営業を、ボイスレコーダーなどで録音させてもらいましょう。反復して聞くことで、自身に足りないものに気付けるでしょう。また、自分の営業トークを録音して比較することで、客観的に自分を見ることもできます。営業が上手な人との違いが明確になってくるので、遠慮なく技術を盗んで自分のものにしていきましょう。

まとめ

営業電話は対面営業とは違い声で第一印象を与えます。最初の段階で、どれだけ警戒されずに耳を傾けてもらえるかどうかが成約のカギです。事前にしっかり準備し、まだ自信がない場合はトークスクリプトを用意するなどして対策する必要があります。

顧客第一の営業トークを意識しながら自信を持って話すことでようやく耳を傾けてもらえ、スタート地点に立つことができます。そこからは上手く心の距離を縮め、次に生かせる終わり方へ繋げることが大事です。

たとえ上手くいかなかったとしても、何が問題だったのか深く考えすぎずに、即座に気持ちを切り替えることが重要です。また、営業成績の優れた人からトークスキルを盗むなどの向上意欲を持つことも大事です。

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