法人営業に向いている人ってどんな人?6つの特徴を紹介!

転職活動をしているとよく目にする法人営業という職種ですが、具体的にどんな仕事なのでしょうか。本記事では仕事内容や向いている人、働くメリットなどを紹介します。

法人営業の仕事内容とは、企業法人を顧客として製品やサービスを売ることです。法人営業の成果は企業の売り上げに直結するため、経営に直結するキーパーソンになります。法人営業に対し、個人を顧客とする営業は個人営業となります。取り扱う製品は有形商材(不動産、精密機械の部品、OA機器、洋服など)と無形商材(人材サービス、コンサルティング、金融商品、ITシステムなど)に分かれます。

法人営業の手法として、まだ取り引きがない顧客を開拓する新規営業と、既存顧客へ商品を売るルート営業があります。このように法人営業といっても、有形商材と無形商材のどちらを取り扱うか、新規営業とルート営業のどちらを行うのかで細かく分類できます。

法人営業に向いている人の特徴

法人営業は未経験からでも挑戦しやすい職種です。営業に向いている人の共通点を紹介するので、未経験からの挑戦を検討している方は参考にしてみてください。

基本行動を徹底できる人

法人営業職には毎月のノルマや目標が設けられますが、目標を達成できる月、できない月、クレーム対応に追われる月など成績には波があるものです。成績にある程度の波があるのは仕方のないことです。継続して目標を達成するためには自身の成績を何かのせいにしないということが重要になります。

もちろん、成績が悪く落ち込むことや、逆に成績が急上昇して浮かれてしまうこともあると思います。そういう時こそ冷静にPDCAを回し、基本行動を徹底できる人は法人営業に向いていると言えます。

コミュニケーション能力がある人

コミュニケーション能力は営業職においてかなり重要です。営業職に重要なコミュニケーション能力とは、一方的にこちらから話すことではなく、相手の話をしっかりと聞けるということにあります。これをヒアリングスキルと言い、「聞く力・傾聴力」を指します。相手の言葉を丁寧に聞き取り理解することや共感する力で、商談の際に相手のニーズを聞き取り、商機に繋げることができます。

営業とはただ単に商品を売るだけの仕事ではありません。自社の商品やサービスを使って顧客の課題解決を支援する仕事です。重要なのは商品を売りつけるトーク力よりも、顧客が今何に困っているのかを聞き出す力です。顧客の課題に耳を傾けた上でその課題を解決する商品を企業に提案するコミュニケーション能力が重要になります。

前向きな人

営業職はどれだけ分析、工夫をしても契約が取れないケースが多いことも事実です。自社の商品が全ての顧客にとって魅力的なものとは限りませんし、どんなに優れた製品であってもニーズがなければ成約には繋がりません。無理矢理売りつけるような押し売りをしてしまっては顧客からの心象は悪くなるでしょう。また、成約確約までこぎつけたのに直前で失注することもあります。もちろん改善点の把握や反省はすべきですが、いつまでも引きずらずに気持ちを切り替えていく潔さも重要です。失敗してもトライ&エラーの精神で改善策を見出せる人は重宝されるでしょう。

法人営業職は人と接する機会が多い分、どうしても性格が合わない人に向き合ったり、クレーム対応をしたりしなければいけない場面があります。そのためイライラしたり不安を感じたりしても、気持ちを素早く前向きに切り替えられる人は営業職に向いていると言えます。

相手の気持ちを尊重できる人

法人営業は、自社の商品やサービスを顧客に売る仕事ですが、押し売りのような営業手法では成績は伸び悩むことになるでしょう。顧客が商品を購入することで得られるメリットや費用対効果などをしっかりと説明できる能力は必要不可欠です。常に顧客の立場に立って物事を考えられる人は営業職に向いていると言えます。

また商談成立後、納品から導入、アフターフォローまでを一貫して行える人は信頼を得やすく、継続注文や新規獲得などに繋がりやすくなります。何事も自分が顧客の立場になった時どうして欲しいかを考えて行動するとよいでしょう。

論理的に話せる人

法人営業は個人向けとは異なり、コミュニケーションをとる相手が多いのが特徴です。つまり、購買に関わる人数が多く複雑です。そのため、取引する上で重要なキーパーソンを把握し、それぞれの関係者に合った提案をすることが求められます。また、競合企業も存在し、スケジュールや予算、要件など限られた状況で提案を行わなければいけないため、物事をしっかりと道筋立てて考えられる論理的思考ができることが必須となります。

商談では、なぜ、誰に、どのように、何のために、使用目的などを論理的にわかりやすく伝える能力が問われます。どんなに優れた商品やサービスであっても、良いところをしっかりアピールできなければ意味がありません。「これはとても良い商品です」だけでは売れず、顧客に必要だと思ってもらえる説明力が必要なのです。論理的思考は業務を通じて自然に身につく物でもありますが、普段から物事を論理的に考えられるように訓練しておくとよいでしょう。

清潔感がある人

世の中の多くの人は、不潔なイメージのある人よりも、清潔感のある人に好感を抱きます。特に法人営業では、顧客の企業へ訪問するケースも多いため清潔感の有無や身だしなみに気を使えるかどうかはとても重要です。心理学的にも人の印象は見た目で6割が決まると言われており、清潔感のある人が圧倒的に良い印象を与える傾向にあります。

身だしなみとは、例えばシャツにはアイロンがかけられているか、髪の毛は程よくセットされているか、男性であれば髭をきちんと剃っているか、香水の匂いはきつくないかなどが挙げられます。常に人に見られている、人と接する仕事なんだという意識を持てるかどうかが重要です。

法人営業は未経験でもなれるのか?

日々顧客と密に接する営業職ですが、未経験だと転職は難しいのでは?と感じる人も多いかもしれません。しかし法人営業は社会全体のニーズが高く求人数も多いためチャレンジしやすい職種といえるでしょう。むしろ営業職は他の職種に比べて未経験でも転職しやすいと言われています。その理由は、各企業が販売する商品やサービスの詳しい知識に関しては、入社後に身につけるのが一般的だからです。もちろん営業職を募集している企業の中には即戦力として経験者を募集しているところもありますが、未経験可能の企業も多くあります。スキル次第で前職の経験をそのまま活かせることもあるので、未経験でも自分が前職で何をしてきたのか、どんなスキルがあるのか、それを志望した企業でどのように活かせるのかを明確にし、上手くマッチすれば営業職に就くことは難しくありません。サポート体制をしっかりと整えている企業も多いので、本人の頑張りと今までの経験次第で活躍は十分に可能です。

具体的に現在どのような業界が積極的に未経験者を採用しているのでしょうか。一部を紹介します。

・人材業界:扱う商品が多くないため未経験者歓迎の求人が多い

・広告業界:Webメディアやインターネット広告のニーズが急速に高まっているが、経験者が少なく、未経験でも転職のハードルが低い

・不動産業界:入社後の研修や専門資格取得支援体制が整っている企業が多いため、経験者、未経験者ともに積極的に採用

・SaaS業界:急速に成長を遂げている新しい業界であるため、未経験者を積極的に採用。買い切りではなく、料金システムにサブスクリプションを採用しているため、新規顧客の開拓から既存顧客のアフターフォローまで行う必要があり、SaaS業界では営業職をインサイドセールスやフィールドセールスなど複数の職種に分ける。このことも未経験者を積極採用する要因となる

・保険業界:既存顧客のフォローアップなどアフターフォローを担う人材を積極的に採用

上記のような業界以外にも、未経験で入社できる企業は多数あり、求人数が多い分どの企業が自分には合うのかわからなくなってしまう人が多いでしょう。同じ営業職でも、新規営業やルート営業か、営業先が商社やメーカーかなどによって営業手法が異なります。自分にはどのような企業や営業スタイルが合うのかを考えておくと、スムーズに転職活動が進むはずです。

また、営業職に就く上で必須の資格は基本的にありません。その分コミュニケーション力が求められますので、普段から積極的に人との交流を図り、コミュニケーション力の向上に努めるとよいでしょう。

法人営業に就くメリット

法人営業に転職することには様々なメリットがあります。法人営業に就きたいと考える人は、どのようなメリットがあるのかを知って転職のモチベーション維持に繋げましょう。

汎用性の高いスキルが身につく

法人営業では、業務を通じて様々なスキルが身につきますが、どのスキルも特別難しい知識や技術、能力を求められることはありません。しかしビジネスにとって必ず必要なスキルが一通り身につくと言えるでしょう。例えばビジネスマナーや電話応対、名刺交換の仕方、コミュニケーション力や資料作成スキル、傾聴力、プレゼンテーション力など働いていく上でどの仕事にも必要なスキルです。特にプレゼンテーションスキルは、自社の商品を魅力的に伝えるためにも営業職の腕の見せ所とも言えます。

様々な出会いから学びを得られる

法人営業は、文字通り企業に対して営業をかける仕事のため、様々な職種や業種、立場の方々と出会うことができます。プライベートでは知り合うことが難しいような経営層の方との出会いもあり、個人営業にはないビジネススケールや取引金額の大きさに魅力を感じる方も多いでしょう。こういった出会いを通して自身の視野が広がり、仕事に対するモチベーションアップにも繋がります。

人脈形成ができる

法人営業は、文字通り企業に対して営業をかける仕事のため、様々な職種や業種、立場の方々と出会うことができます。プライベートでは知り合うことが難しいような経営層の方との出会いもあり、個人営業にはないビジネススケールや取引金額の大きさに魅力を感じる方も多いでしょう。こういった出会いを通して自身の視野が広がり、仕事に対するモチベーションアップにも繋がります。

様々な出会いから学びを得られる

法人営業を続けていると、企業の様々な人との人脈を築けるのもメリットです。ビジネスにおける人脈とは仕事に繋がる人間関係のことで、取引先の担当者の人脈から次の顧客獲得に繋がることも珍しくありません。これをリファラル営業と言います。人脈形成は決して簡単なことではありません。人脈を広げるには何よりも行動力が重要です。まず相手に自分を知ってもらわなければいけないので、セミナーや会合、異業種交流会など様々な場所に出向いて、沢山の人と会う必要があります。人脈を増やすには、興味を持ったイベントにはプライベートでもビジネスでも、とにかく好奇心を持って参加してみることです。色々と行動した経験は、自身の財産になるので決して無駄になることはないでしょう。

今はSNSが発達しているため、FacebookやTwitter、Instagramを活用することでビジネスチャンスが拡大することもあります。SNSはやっていないという方もいるかと思いますが、とにかくアカウントを開設してアクティブに、使えるツールは使っていきましょう。

人脈が多いことは、営業マンにとって強みであり資産です。これまで自社の商品やサービスを知らなかった方々へ魅力や興味を持ってもらえる機会が増えたり、自分とは違う角度で考えられる人や、自分とは違うバックボーンを持った人にアドバイスをもらえることもあります。人脈が増えれば増えるほど、選択肢も増えビジネスの可能性が広がっていくでしょう。

法人営業のキャリアパス

法人営業の経験があれば、様々なキャリアパスが見えてきます。自身のキャリアアップ、年収アップを図るために、具体的にどのようなキャリアパスを描けるのかを把握しておきましょう。

営業のスペシャリスト

自身の営業スキルを極めていきたいという方は、営業のスペシャリストを選ぶとよいでしょう。スペシャリストというのは、高い専門性をもって結果を出す人たちのことを指します。とは言っても、スペシャリストという言葉には厳密な定義がないため、その言葉単体では説得力に欠けてしまうため、肩書きにするというよりも自分はある程度の専門知識や技術を持っていることのアピールとして使うのが効果的です。

専門性が必要な職と聞くとエンジニアなどの技術職を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、顧客に商品を売るために試行錯誤する営業職も専門的な技術が必要な職種です。人とのコミュニケーション方法や購買意欲を高める工夫は営業職ならではの専門知識なのです。

スペシャリストになることは、自分はこの仕事(分野)であれば十分に活躍できることをアピールできるため、実績を積んでいくことで昇進に近づくことができます。また転職を考える時には、自分のセールスポイントを説明しやすく、今まで得てきたスキルや経験を転職活動に生かすことができます。

自分はスペシャリストであるということを証明するには、資格を取得する、他の人にはない技術を身につける、実際の業務で成果を上げるなど客観的に見てわかりやすいものを提示すると良いでしょう。スペシャリストは専門性が売りです。自分が極めたい特定分野に特化したスキルは大きなアドバンテージになるでしょう。またスペシャリストとしてのキャリアを積むのに必要なこととして、常に新しい情報を取り入れる、自分の専門分野以外の人や異なる立場の人の意見を取り入れる、関連する業務や業界の動向を把握することが大切になります。

営業マネージャーとなる

組織を拡大したい、人材を育成したいと考える方は営業マネージャーを選ぶとよいでしょう。営業マネージャーとは、会社の売り上げアップを担う営業メンバーを束ね、彼らの能力を最大限に発揮できるように管理する役職のことです。具体的な役割としては、チームの目標を設定し進捗を管理する、目標に対するフィードバックを行う、メンバーのモチベーションを管理する、営業戦略を練る、メンバーの行動管理を行う、営業環境を整えるなどが挙げられます。マネージャーが営業マネジメントを実施するには下記のようなスキルが必要になります。

・営業チーム全体を見て管理する力
・コミュニケーション能力
・行動力、リーダーシップ
・決断力
・正しく評価する力

営業マネージャーはチームを育てる必要があります。全てのメンバーに対する責任と成長を担いながら、業績アップを目指さなければいけないマネージャーという仕事は、とても難しく大変ですが、その分やりがいも大きいでしょう。

カスタマーサクセスや営業企画にキャリアチェンジ

営業職からキャリアチェンジするというキャリアパスもあるでしょう。例えば、新しい営業職として注目されているカスタマーサクセスへのキャリアチェンジです。カスタマーサクセスとは、サービスの購入、契約後のフォローなどをする仕事で、営業の分野が進んだ米国のSaaS系企業から広がった職種です。昨今、サービスのオンライン化に伴って需要が急増しています。顧客との継続的なコミュニケーションが必要であることから、法人営業出身者が多く、接客業からカスタマーサクセスになるケースも少なくありません。

近年のトレンドとして、大手企業がカスタマーサクセス職を『法人営業』の分類から区分けし、独立した部署として接客的に受け入れつつあり、専門職としての採用が増えています。ニーズが高まる一方で、この分野の経験に長けた人材が少ないため未経験でも転職しやすいと言われており、他業種からカスタマーサクセスへ転職する場合では、コンサルティングファームやSIer、フィールドセールス(現場営業)、経営企画、マーケティング、法人営業の出身者が多く見られます。

カスタマーサクセスという仕事は売り手と買い手の橋渡し役と言われています。営業職の経験を活かし、その先のプロセスや仕組み作りを担えるのはとても面白いキャリアパスと言えるでしょう。

法人営業を通じて、営業戦略に興味を持ったり、企業の商品やサービスの仕組みを分析したり、利益を最大化するための分析やプロセスを組み立てることに興味が出てきた人は、マーケティングや営業企画へのキャリアチェンジもおすすめです。営業企画とは自社の商品やサービスの売り上げ、シェアの向上などを目的とした営業戦略を立案、策定します。営業戦略を立てること、円滑な営業活動をサポートして目標の達成をサポートすることの2つから成ります。似た言葉として企画営業という仕事がありますが、こちらは企画自体を商材として売り込むため全くの別物となります。

営業企画へのキャリアパスとして、まず営業の現場を知る必要があります。そのため、営業職からは転職しやすいと言えます。営業企画を目指す場合は、まずマネージャーを目指し大きな裁量を持った後、企業単位で物事を考える視点を得ることで進みやすくなります。

営業職を目指す理由は様々です。どのような理由であってもまずは自分にとってのゴールを明確にする必要があります。最終的なゴールが営業職以外の人にとっても、営業の経験がその後のキャリアを輝かしいものにしてくれるでしょう。

まとめ

営業職は企業の最前線に立って顧客と向き合うため、得られる知識や経験が非常に多く、営業経験者は市場価値が高まる傾向にあります。営業職以外の人にとっても、営業職に就くことは大きなメリットをもたらすのです。

現在、法人営業という職種もこれまでにない新しいプロセスの導入が進むなど、多くの企業が組織改革を進めています。業務を切り分けることによって生産性が向上する一方で、より高い専門性や知識、技術が求められることや、商談を実施するにあたっても従来とは異なるアプローチを行う場面があるかもしれません。さらに、顧客の購買行動や営業に求められることは日々変化し続けています。様々なやりがいを感じながら、営業職として働くことを考えてみてはいかがでしょうか。

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