電話営業って時代遅れなの?そう言われる理由と今のニーズの高い営業職とは?

今回は、電話営業が時代遅れなのかどうかについて説明していきます。この記事をご覧の方の中にも、現在電話営業をしている方は多いかもしれません。まだまだ電話営業をしている会社は多いと思います。しかし、社会の変化が激しい現代においては営業方法が目まぐるしく変化していることもまた事実です。そんな中で、電話営業が時代遅れと言われている理由と、現在ニーズの高い営業職について紹介していきます。是非最後まで読んで、電話営業が時代遅れと言われている理由を確認し、自身に合った営業方法を確認してみてください。

電話営業の歴史

現在、電話営業はビジネスで必要不可欠な営業方法の一つとされています。電話営業の起源は、スコットランド人であるアレクサンダー・グラハム・ベルが1870年代に電話を発明した時点まで遡ります。電話営業は、電話局内に配置された小さな部署からはじまったとされています。150年経った現代でも、知っている人であれ知らない人であれ、人と人を結ぶコミュニケーションツールとして活躍しています。

皆さんが想像しやすいビジネスにおける電話の用途は、コールセンターにおける活用だと思います。メールなどでは聞くことのできない生の声を伝えられる電話は、ビジネス拡大のために無視できないツールでした。電話営業やコールセンターでは、収集した顧客のデータなどを分析して、今後の営業方法に活かすことが重要とされていました。しかしさまざまな社会の変化が起こる近年においては、電話営業やコールセンターを用いて競合と差別化することは難しくなってきています。それは、インターネットの台頭が原因の一つです。単に電話をかけたり受けたりするという用途から、電話とSNS(Social Network Service)の併用で新規顧客を獲得するように、電話営業の在り方が変化してきました。

時代遅れと言われる理由

ここからは、そこまで有用とされていた電話営業が、なぜ時代遅れと言われているのかについて、4つの理由を紹介していきます。もちろん電話営業が時代遅れと言われたとしても、必要な場面は存在します。しかし、電話営業を用いるべき場面とそうでない場面が存在するため、時と場合に合わせて使い分けられるようにしましょう。

効率が悪いと感じてしまう

電話営業が時代遅れと言われる理由の1つ目は、効率が悪いと感じてしまうことです。やはりSNSやメールを用いて一斉に営業をかける方法は、電話で1件1件営業をかけるよりも遥かに効率がいいです。つまり、1件あたりにかける時間的な面での効率が悪いと感じてしまうのです。しかし効率が良いのは、アプローチをかける顧客リストが潤沢にある場合に限ります。新規開拓営業であれ既存顧客営業であれ、もし顧客リストが充分にない場合は、一件一件対応する電話営業の方が効率がいいかもしれません。

電話以外のコミュニケーションツールの登場

電話営業が時代遅れと言われている理由の2つ目は、電話以外のコミュニケーションツールの登場です。インターネットが急速に発達している現代において、コミュニケーションツールは電話だけでなくSNSなど、多岐にわたるようになりました。特にSNSの中でも、FacebookやLinkedinなどはビジネスパーソン同士がコミュニケーションを取る際に用いるSNSとして認識されている傾向があります。電話をかけて顧客とコミュニケーションを取るよりも、SNSなどでコミュニケーションを取る方が随分楽な時代となりました。

また、新型コロナウィルスの蔓延によってZoomなどのオンラインミーティングツールが台頭しました。オンラインミーティングツールはテレワークを可能にした画期的なツールです。電話では、相手の声を聞くことができますが、オンラインミーティングツールでは、相手の声だけでなく顔も映せるため、実際に相手が目の前にいて話しているかのようなコミュニケーションを取ることができます。このような電話以外のコミュニケーションツールの登場により、電話営業は時代遅れと言われるようになりました。

Webマーケティングの選択肢の増加

電話営業が時代遅れと言われている理由の3つ目は、Webマーケティングの選択肢の増加です。Webマーケティングとは、WebサイトやWebサービスを用いて見込み顧客を集客し、サービスの購入を促すことです。

基本的にマーケティングは営業をかける前の段階の施策です。近年Webマーケティングの選択肢が増加したことにより、電話営業や飛び込み営業などの非効率な方法があまり取られなくなりました。インターネットやSNSを用いた広告を打てるようになったため、サービスの認知拡大方法が増えたことが、電話営業が時代遅れと呼ばれるようになった大きな要因です。

精神的な負荷がかかる

電話営業が時代遅れと言われている理由の4つ目は、精神的な負荷がかかるということです。電話は電話番号を入力するという手間が生じます。その電話が繋がらなければ、結果的に時間は無駄となってしまいます。SNSなどテキストを用いれば、相手の都合の良い時間に返事が返ってくるのに対し、電話営業で向こうから折り返しがあることは珍しいです。また、近年は知らない番号から電話がかかってきたとき、そもそも電話を取らない傾向にあります。そして、電話番号を打って電話をするという行為を続けることは、精神的な負荷となるわけです。

メールやSNSとは異なり、電話では一斉に営業をかけられないため、一件一件顧客に電話をかけて営業する必要があります。顔を合わせて話さずに、冷たく対応されてしまったり、伝えたいことが上手く伝わらなかったりと、電話営業をすることが嫌になってくる人もいます。電話をかけ続けるという作業は、断られることも多くなることに加え、精神的な負荷がかかってしまうため、時代遅れと言われる原因となっています。

電話営業が必要とされる場面

ここからは、電話営業が必要とされる場面について4つ紹介していきます。いくら電話営業が時代遅れと言われていても、全く不必要というわけではなく、必要なタイミングは存在します。

自社のタイミングでアタックできる

電話営業が必要とされる場面1つ目は、自社のタイミングでアタックできる場合です。営業は、会社に勤めている以上、基本的には勤務時間に電話営業をかけることになります。しかし、電話営業以外にもやるべき業務はあります。そのため、優先順位の高い業務を終えた後や、電話をかけたいタイミングに営業をかけれるといったメリットがあります。数日間対応ができない期間に顧客からテキストメッセージを貰う場合などは、顧客からの信頼を失うことに繋がりかねないということです。せっかく顧客が聞きたいことを営業に連絡したとしても、すぐに返事が来なければ機会損失に繋がりかねません。

アタックしたい顧客を選定できる

電話営業が必要とされる場面2つ目は、アタックしたい顧客を選定できる場合です。アタックしたい顧客があらかじめ定まっている場合は、顧客リスト全体に一斉に営業をかけるより、一件ずつ丁寧に電話営業をかけるほうが有効です。顧客としても、『わざわざ電話をかけてきてくれている』と考える場合もあるためです。また、直筆の手紙を送ってみるなどして特別感を出してもいいかもしれません。アタックしたい顧客を選定できるということは、自社にとって契約を結ぶことで利益になる会社を選定できるということです。つまり、顧客の優先順位を立てることができるため、それぞれの顧客に合った提案を考えておく必要があります。ただひたすら電話営業をかけるといったイメージではなく、どう電話営業をかけるか作戦を練っておくと契約受注の確度は上がるはずです。

事業開始時はインバウンド営業が難しい

電話営業が必要とされる場面3つ目は、事業開始時でインバウンド営業が難しい場面です。インバウンド営業とは、電話営業や飛び込み営業とは対象的に、自社のサービスに興味を持ち反応をしてくれた顧客に対して行う能動的な営業方法です。

事業開始時は、会社はもちろんサービスの認知度や実績もあまりないものです。そのような時期には、電話営業をかけて顧客を見つけることが有効です。実績がないとなかなか契約には至らない傾向にあるので、顧客にとっていかにメリットを与えられるかが鍵となります。ある程度サービスの認知度や実績があれば、顧客が不安を覚えることはあまりないでしょう。そのため、営業は顧客と商談する機会を得たなら、いかにお得な契約で、顧客にとってメリットがあるサービスなのかを簡潔に伝える必要があります。

Webマーケティングでは接触できない顧客がいる

電話営業が必要とされる場面4つ目は、Webマーケティングでは接触できない顧客がいる場合です。Webマーケティングで網羅できない顧客にアタックしたい場合、電話営業は効果的です。顧客の中にはインターネットに疎い人が多い会社もあります。そもそもWebマーケティングが刺さらない顧客には、こちらから電話をかけて営業をするという昔ながらの営業方法が有効な場合もあるのです。

ニーズが高い営業職

ここからは、現在ニーズが高い営業職について2つ紹介していきます。一概に営業職といっても、対面で商談をするイメージ通りの『the・営業』(フィールドセールス)ではなく、現代の顧客のニーズに合った営業方法も存在します。

インサイドセールス

現在ニーズが高い営業職1つ目は、インサイドセールスです。インサイドセールスとは、新規顧客開拓の営業において主に用いられます。名前の通りインサイド(内側に)セールスをして、商談の機会を創出するのです。

電話営業もインサイドセールスの一部となります。しかしインサイドセールスでは、電話だけでなくメールやオンラインミーティングツールなど、複数の媒体を用いて顧客へアプローチを試みます。現代の社会では新規の顧客と接点を持つのは非常に難しいです。それは、世の中に似通った便利なサービスが多く存在するからです。そのため、インサイドセールスのニーズがとても上がっているのです。

インサイドセールスをかける際、他社サービスとの違いを明確に説明できる必要があります。明確に伝えられないと、『契約するのはこの会社じゃなくてもいいや』など不信感を生むことに繋がります。そのため、自社が提供できるサービスのメリットや、顧客との親和性を簡潔に伝えることが重要となります。

また、インサイドセールスは営業方法の中でも難易度が高く断られることも多いため、『断られることが大前提』という心持ちで挑んだ方がいいでしょう。断られ続けることが精神的にきつくなって長く続かなくなってしまうからです。インサイドセールスの需要は年々増加傾向にありますが、是非自身に合った働き方なのかどうかを考えてチャレンジしてみることをオススメします。

カスタマーサクセス

現代においてニーズが高い営業職2つ目は、カスタマーサクセスです。カスタマーサクセスは名前の通り、カスタマー(顧客)がサクセス(成功)するために顧客に働きかける営業方法です。フィールドセールスが契約を結んだ後にアフターフォローとして顧客と関わります。

近年、SaaS(Software as a Service)やサブスクリプション(定期購読)型サービスの台頭により、顧客はサービスによる『体験』を重視するようになりました。つまり、営業側にとっては『サービスを売って終わり』ではなく、『サービスを売ってからが始まりで、サービスを継続利用してもらう』ことが自社の継続的な売り上げとなるのです。

カスタマーサクセスは顧客にサービスを利用してもらう上で、適切なサービスの利用ができているか・顧客が自社サービスを利用して売り上げを上げているかなど、常に分析する必要があります。顧客に、意味のないサービスと思われないよう、いかに自社サービスのおかげで売り上げが伸びているかを説明できれば、顧客の満足度は上がり継続的なサービス利用が見込めるでしょう。

カスタマーサクセスは、定期的に顧客とコミュニケーションを取る必要があるため、コミュニケーション能力を持つ人や、顧客のために能動的に働ける人に向いている職種となります。

営業から転職しやすい職種

ここからは、営業から転職しやすい職種について3つ紹介します。やはり、営業はきつい・難しいといった声も多く、違う職種にチャレンジしてみたい方もたくさんいると思います。その中で、現在営業を経験している方にとっても、営業で培ったスキルが活かせる他の職種を紹介していきます。

営業企画

営業から転職しやすい職種1つ目は、営業企画です。営業を現場で経験していたからこそ、どのような体制で営業をかけるとより効率的になるかなどを考える力がついています。そのような人にとって、営業企画は営業職で培ったスキルが活かせる職種といえるでしょう。是非現在営業を経験していて、営業企画にも興味があるという方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

カスタマーサクセス

営業から転職しやすい職種2つ目は、カスタマーサクセスです。カスタマーサクセスは、現在経験者が少なく、とても重要性が高まっている職種の一つでもあります。カスタマーサクセスは顧客と密に関わる職種なため、営業職を経験している人と同じように、バックオフィスを経験している人にも向いています。カスタマーサクセスに求められるスキルは、コミュニケーション能力や分析力などです。これらは、営業職においても求められるスキルなので、カスタマーサクセスという職種に興味がある方は是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

マーケティング

営業から転職しやすい職種3つ目は、マーケティングです。営業職は、顧客に最も近い立場で働けるポジションです。そのため、営業職を経験して顧客のニーズを理解した上でマーケティングを経験することで、サービスの販売促進に貢献できるはずです。

そもそもマーケティングとは、より多くの人々に自社のサービスを売る職種です。顧客の好みやライフスタイルを把握できていないと、顧客に刺さるマーケティングは難しいでしょう。そのため、営業職で顧客としっかり関わり、顧客のニーズを理解してからマーケティングを経験するルートをオススメします。

まとめ

今回の記事では、電話営業は時代遅れといわれている理由と、現在ニーズの高まっている営業職について紹介しました。電話営業は約150年前から現在に至るまで用いられている画期的な営業方法です。しかし、近年はインターネットの普及などにより電話営業が非効率とな言われるようになりました。そのため、顧客のニーズに合った営業方法が模索され、インサイドセールスやカスタマーサクセスなど、新たな営業方法が生まれました。

電話営業が有効となる場合を紹介した通り、時と場合によって用いる営業方法を変えながら、PDCA(=Plan Do Check Act)サイクルを回すことが重要です。そうすれば、自ずと営業成績は上がってくるはずです。

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