カスタマーサクセスが『辛い』『やめとけ』と言われるのはどうして?働く上でのメリットや市場価値と徹底解説!

カスタマーサクセスは、SaaS系企業を中心に増えており、近年注目されている職種です。しかしネット上では、『カスタマーサクセス 辛い』などの情報を目にすることがあります。カスタマーサクセスに興味がある方は、なぜそのように言われているのか気になるところでしょう。本稿ではカスタマーサクセスはやめておけと言われる理由や、働くメリット、市場価値について解説していきます。

そもそもカスタマーサクセスとは?

カスタマーサクセスとは、自社サービスを利用する顧客に、よりサービスを活用してもらうための取り組みを指します。カスタマーサクセスが日本で注目され始めたのは、SaaSやサブスクリプションモデルが浸透したことに起因しています。

カスタマーサクセスの役割

カスタマーサクセスで重要なのは、顧客が自社サービスを継続して利用するにあたっての課題を解決することです。顧客を成功に導くことでサービスを継続利用してもらい、LTV(Lifetime Value:顧客生涯価値)を最大化させることがカスタマーサクセスの役割と言えるでしょう。

LTVは顧客から生涯にわたって得られる利益のことです。1回の取引で得られる利益だけではなく、2回目以降の取引で得られる利益も含めて考えます。LTVが重要視されるようになった背景には、サービスが市場に飽和していることによる影響が挙げられます。成長市場であれば、新規の顧客を増やすことで売上を伸ばすことができますが、既に商品やサービスが飽和状態である成熟市場で新規需要を喚起することは簡単ではありません。新規顧客の獲得と共に、既存顧客の定着化を図ることが求められます。そのためLTVはマーケティング戦略を進める上での重要な指標となっているのです。

カスタマーサクセスが日本で注目され始めた理由の一つであるサブスクリプションモデルは、サービスが継続利用されている間は利益が発生し続けるため、いかに継続して利用してもらえるかが重要になります。カスタマーサクセスの対応によって顧客の成功体験が生まれれば、チャーンレート(解約率)の低減やアップセル、クロスセルの機会創出、LTVの向上につながります。LTVが重要視される時代において、自社サービスを継続利用してもらうための施策としてカスタマーサクセスは注目されているのです。

カスタマーサクセスの需要、将来性

近年、多くの企業が売り切り型の販売から、アフターサービスを含めたサービスや、サブスクリプションモデルのサービスの提供に事業内容を転換しています。サブスクリプションモデルは、販売時点では売上金額も少なく赤字になることが多いため、継続的に利用してもらい売上を積み上げていくことでコストを回収します。サービスを売って終わりではなく、継続して利用してもらうことが売上を上げる重要なポイントとなるため、カスタマーサクセスの需要性が増しています。

また、SaaSは無形商材のためユーザーにとって効果を実感してもらうハードルが高く、『よくわ分からない』『使えない』と顧客が感じてしまうと解約につながります。そのためカスタマーサクセスがユーザーをサポートして、効果を実感してもらえるように働きかけることがSaaSサービスの継続利用には欠かせません。SaaSは日本だけではなく世界中で増加しているため、カスタマーサクセスの需要は更に高まるでしょう。

カスタマーサクセスへの転職はやめておけと言われる理由とは?

前述したように、カスタマーサクセスの需要は年々高まっており、求人数も伸びています。一方、Web検索をすると『カスタマーサクセス やめとけ』などネガティブなキーワードがサジェストされるため、不安に思う方も多いでしょう。ここではカスタマーサクセスが辛いと言われている理由を紐解いていきます。

まず、カスタマーサクセスとして働くことを『やめておけ』と言われる理由について見ていきましょう。

多様なスキルが求められる

カスタマーサクセスとして活躍するには様々なスキルが求められます。例えば、課題解決能力、データ分析能力、管理能力、コミュニケーション能力など多種多様なスキルが求められます。どのスキルも取得するまでには時間がかかるため、『自分には難しい』と感じる方も多いのでしょう。

重い責任がのしかかる

カスタマーサクセスはサービスを通して顧客のビジネスを成功させるという役目を担います。故に、重い責任がのしかかりメンタル的にきついと感じる方も多いでしょう。これは、やりがいを感じられる一方で、重圧に耐えるだけの強いメンタルが求められるということです。そのため、プレッシャーに弱い人は、仕事に苦手意識を持ってしまうかもしれません。また、業務の中では多くの失敗クレーム、課題があります。顧客によっては言い方が厳しく、心が疲弊してしまうこともあるでしょう。

顧客への課題解決がうまくいかない場合もある

カスタマーサクセスの仕事は、顧客のビジネスの成功に向けて最善を尽くすことですが、必ずしも結果につながるとは限りません。成功に結びつかない場合は試行錯誤しなければいけないため、仕事に対する熱量は高く持ち続けることが必要です。失敗を繰り返す中、高いモチベーションを維持することが難しい点も『やめておけ』と言われる所以でしょう。

評価体制が確立されていない

日本ではカスタマーサクセスが広く浸透していないため、まだまだ評価されにくいと言えます。その重要性が定着していない企業では、社内でのポジションが低いと感じることがあるようです。高い売上を出す部署の立場が上という企業は、売上の高い部署の方が高い給料をもらう傾向があるため、モチベーションの維持に苦労しているカスタマーサクセス担当者も多いようです。

KPIなどで成果を追求するためプレッシャーが大きい

KPIとは『Key Perormance Indicator』の略で重要業績評価指数を指します。カスタマーサクセスのKPIは解約率や継続率を設定することが多く、成果を追求する際のプレッシャーや責任は重いでしょう。顧客のビジネスを成功に導くという役割を全うする上で、問題解決に至らなかったり、ニーズに応えられなかったりした場合はサービスを解約されることもあります。

業務量が多い

現在、カスタマーサクセスの部署を設置しているのはベンチャー企業が多く、ユーザー数と社員数のバランスが悪い傾向にあり、担当する業務が膨大になりがちです。これは職場環境の問題とも言えますが、業務が多いと常に残業を強いられたり、帰宅しにくい雰囲気が漂っていたりすることがあるため、カスタマーサクセスはやめておいたほうがよいと言われるのでしょう。

SaaSの営業が難しいため成績が見えにくい

カスタマーサクセスはSaaSサービスを取り扱う企業に多く、競争が激しいため、自社のプロダクトの競争力が営業の成功に直結します。日々、数字に基づいた分析や振り返りが頻繁に行われ、成果を評価するために、毎日の活動や成約率、アプローチ方法などを詳しく分析します。これはシビアな成果が求められるため一部の人にとっては負担に感じることがあり、『SaaSの営業は飽きる』や『SaaSはやめとけ』と言われる理由の一つとなっています。

カスタマーサクセスに向いている人、向いていない人とは?

カスタマーサクセスの仕事を長く続けるため、自分が向いているのか、向いていないのかを見極めることは重要です。ここではそれぞれの特徴を見ていきます。

カスタマーサクセスに向いている人の特徴

・相手の気持ちを優先できるホスピタリティの高さがある
カスタマーサクセスは顧客への共感が求められるため、顧客の課題が見えた時、しっかりと顧客の立場に立ち行動する必要があります。自分の気持ちではなく、顧客の気持ちを優先できる高いホスピタリティがあると、顧客が心地良いコミュニケーションを取れるようになるでしょう。

・臨機応変な対応ができる
カスタマーサクセスは顧客の置かれている状況に合わせて、常に柔軟な対応を求められます。臨機応変に対応するためには、顧客の課題をしっかり理解し、問題があればその問題の原因はどこにあるのかを判断する能力も重要なスキルになります。

・リーダー気質がある人
顧客が抱える問題を解決へと導いていく上で、顧客を引っ張っていく能力が求められるためリーダー気質がある人は向いていると言えます。顧客にとっても頼りがいがある人は信頼できるでしょう。

・積極性や行動力がある人
カスタマーサクセスは顧客からの依頼を待つのではなく、自ら積極的に行動、提案することが求められます。つまり、指示を待つのではなく主体的に動く必要があるのです。迅速かつ積極的な行動をすることは顧客からの信頼を得ることにつながり、顧客は良い印象を持ちます。仕事に対する熱意も伝わるため、顧客との関係性の構築にもつながるでしょう。

・意見を調整する折衝力がある
カスタマーサクセスは顧客とだけでなく社内とのコミュニケーションも必要です。顧客だけの立場に立って行動すると、社内の他部署との摩擦が起きる恐れがあるため、カスタマーサクセスにはコミュニケーション能力、共感力が求められます。

・論理的思考能力がある
顧客を成功に導くに当たって、感覚で行動することはリスクが伴います。カスタマーサクセスは分析力が求められるため、物事を客観的に捉えられる論理的思考を持っていなければいけません。

・チームワークを大切にする
カスタマーサクセスは社内、社外双方の連携がとても重要なため、チームワークを重視する人に向いています。また営業活動をする上で、インサイドセールスやフィールドセールスと連携することもあるため、カスタマーサクセスだけでは業務が回りません。企画や開発、リサーチなどが分業して業務を進めることが、顧客満足や企業成果につながります。

カスタマーサクセスに向いていない人の特徴

・1人で行動するのが好きな人
カスタマーサクセスは、顧客や社内の他部署、同僚など、複数と同時にコミュニケーションをとる機会が多く、自分だけで業務を完結させることは難しい仕事です。そのため、1人で行動するのが好きな方には向いていません。

・こだわりが強い人
カスタマーサクセスの仕事は状況に応じて臨機応変な対応が求められるため、周囲の考えや顧客の意向をしっかりと受け入れることが求められます。こだわりが強い人は、自身の考え方ややり方に固執しやすいため、向いていないと言えるでしょう。

・自分で解決策を考えるのが苦手な人
カスタマーサクセスは『顧客の成功』を仕組みで支援します。しかし、日々の具体的なアクションでは、常に個社、個人に向き合うことになります。顧客によって状況や進捗が異なるため、何をすべきかを常に自分で考える必要があります。決まったことしかできない、指示がなければ動けない、決められた枠組みの中でしか動けないと言う人は、カスタマーサクセスには向いていないでしょう。

・地道にコツコツとアクションを積み重ねるのが苦手な人
営業の仕事には契約を取るという明確なゴールがありますが、カスタマーサクセスの仕事は解約率の低下や活用度の向上といった、結果が分かるまでに時間がかかる目標を追っていくことになります。

顧客とコミュニケーションを重ねたり、課題を解決したり、顧客のサービス利用状況をモニタリングしたりといった作業を地道に継続し、『顧客の成功』という終わりのない道をコツコツと歩んでいくのがカスタマーサクセスの仕事です。分かりやすい成果や明確なゴール、一発逆転といった派手な結果の方がモチベーションを保ちやすいという方にはカスタマーサクセスは向いていないかもしれません。

・ストレスに弱い人
カスタマーサクセスは社内外の多数の人と一緒に仕事を進めるため、ストレスは大きくなります。また顧客の成功に向けて地道に努力を重ねても結果に結びつかなかったり、クレーム対応したりすることもストレスがかかる要因となるでしょう。うまくストレスに対処できる能力は、カスタマーサクセスを続ける上で必須と言えます。

カスタマーサクセスとして理想的な企業の特徴とは?

ここからは、カスタマーサクセスとして成長できるであろう企業について解説していきます。どんな企業にも良い点と悪い点があるので、あくまで会社を選ぶ視点の1つとして参考にしてください。

どんな業界の企業でも、下記が揃っていればカスタマーサクセスとしてとてもやりがいを感じるでしょう。これからカスタマーサクセスへの転職を考えている方は意識して企業を探してみるとよいでしょう。

・プロダクトが特定の顧客にしっかりと支持されている

カスタマーサクセスは商品やプロダクトを使って顧客を成功に導く手助けをしますが、商品の開発はできません。もちろんカスタマーサクセスとして顧客の声を開発チームに届け、フィードバックすることは可能ですが、プロダクト開発は開発チームにしかできないのです。

商品はどのような開発フェーズであっても、顧客の課題を解決し、顧客のニーズにフィットしていなければ、その後成長しません。まずは商品やプロダクトがしっかり顧客に支持されているかどうかをチェックしましょう。

・メンバーが顧客の成功を真剣に考えている

プロダクトの次に大切なのが、カスタマーサクセスのメンバーが顧客の課題に真摯に向き合えているかどうかです。本当にカスタマーサクセスとしての役割を体現できている企業は、表面的な手法としてカスタマーサクセスを導入している訳ではなく、何よりも目の前の顧客の成功を考えています。

顧客に真摯に向き合い、価値を提供する試行錯誤の先に、様々な役割や組織体制が生まれます。そのため、働いているメンバーがカスタマーサクセスではなく顧客のことを先に語るのかどうかはとても大切な判断のポイントです。

・営業、カスタマーサクセス、プロダクトの各チームのパワーバランスが公平

カスタマーサクセスの立場がプロダクトやセールス、マーケと同等の立場にあることもとても重要です。カスタマーサクセスはまだ新しい職種、考え方のため、部署が存在していても、他部署からは正当な評価を受けられていない場合があります。そうなると他部署より立場が低く、意見も通らず、カスタマーサクセスの役割を果たすのが難しくなります。当たり前のことですが、カスタマーサクセスの意見が、他の部と同じように尊重されている組織の方が業務を進めやすいでしょう。

次に、こういう会社はカスタマーサクセスとして働いていて苦労するというポイントを上げていきます。どれほど魅力的な会社でも、下記の項目に当てはまるものがあったら、その理由を探ってみるとよいでしょう。

・提供するプロダクトが課題を解決できていない

プロダクトが顧客の課題を解決できていない、契約はあっても支持されていない、使い込まれていないという場合は注意しましょう。プロダクトが顧客のニーズにフィットしていないことが原因の場合、どれほどカスタマーサクセスがサポートしても『暖簾に腕押し状態』に陥ります。

また、プロダクトが開発途中でリリースされていない状態でカスタマーサクセスを採用する企業もあるようです。この場合、いつまで経ってもプロダクトがリリースされず、顧客がつかず、その結果カスタマーサクセスが機能しないことも起こり得ます。

・開発体制が弱く、エンジニアがすぐに辞めてしまう

開発環境に資本が投資されず、エンジニアが辞めてしまう会社は要注意です。プロダクトが改善されない場合、カスタマーサクセスにできることには限界があります。エンジニアがいなくなるような状況は危機的と認識しましょう。

・解約率が高い

プロダクトやカスタマーサクセスの問題などが結果となって現れるのが解約率(チャーンレート)の高さです。解約率が年間10%以上である場合は注意したほうがよいでしょう。解約率が高い場合は、その理由を聞いたり探ったりすることをおすすめします。なぜなら解約率が10%以上あるプロダクトは、どんなに新規顧客を積み上げていっても、いつか顧客増加がマイナスに転じてしまう傾向にあるためです。

・経営陣がカスタマーサクセスを理解していない

これは経営陣がセールス第一主義の場合に起きがちです。新規獲得件数や売上を第一優先として、どんな顧客が相手でも契約をとるセールス力のある会社が当てはまりやすい傾向にあります。

明らかに自社のプロダクトとマッチしない顧客も契約してきてしまうと、その後のカスタマーサクセスがかなり困難になり、労力が無駄になるでしょう。また、顧客が解約したのはカスタマーサクセスの責任という方向に持っていかれてしまうと、カスタマーサクセスには辛い環境になるでしょう。

・顧客よりも目先の利益を優先する

どのような会社でも、顧客体験や顧客ロイヤリティを失うような施策を実施してしまうことがあります。その際、カスタマーサクセスの意見を聞いてもらえるのかどうか、その意見が経営陣に届くのかどうかがとても重要です。何も耳を傾けてもらえないまま決定事項とされ、強引な売上獲得施策を行うような環境では、カスタマーサクセスは苦労するでしょう。

・カスタマーサクセスに投資をしない(採用しない)

カスタマーサクセス部門が明らかに少ない場合は要注意です。カスタマーサクセスによる効果を上げるにはそれなりの人数が必要です。カスタマーサクセスを正しく理解せずに、コンタクトセンターやカスタマーサポートと勘違いしているケースも多く、カスタマーサクセスとして機能していない場合が多いでしょう。

・とりあえずカスタマーサクセスを名乗っている

上記でも述べたように、『なんちゃってカスタマーサクセス』になっている企業は意外と多いものです。マネジャーがカスタマーサクセスを勉強したり実践したりできていない場合や、カスタマーサポートのような業務ばかりを求める会社は、トレンドに乗ってカスタマーサクセスを導入している可能性があります。

カスタマーサクセスへの転職はおすすめ!

ここまでカスタマーサクセスの役割や、どのような人に向いているのかをお伝えしました。ここからは次のキャリアとしてカスタマーサクセスがおすすめな理由をまとめていきます。

今後注目度の高まる職種である

SaaSやサブスクリプション型のサービスは近年急激に増加しており、今後も増え続けると予想されます。パッケージソフトなどの売り切り型の製品も、サブスクリプション型に移行しており、モノを売る、販売する企業が、サービスを提供する企業に変わっていく流れです。そうなると、顧客との長期的な関係性を築くためのノウハウやスキルを持った人材が求められるのは間違いありません。

市場に経験者が少なく、パイオニアになれる

カスタマーサクセスは国内の転職市場で2016年頃から見られるようになり、2018年頃から急増しています。スタートアップやベンチャー、バーティカルSaaSと呼ばれる業界、セグメント特化型のSaaSが増えたことが要因と考えられます。

新しい概念のため経験者がまだ少ない状況です。先駆者が少ない領域に飛び込み、成功事例を積み上げることができればパイオニアとしてのポジションを確率できるでしょう。

プロダクトや商品企画に関与できる可能性が高い

カスタマーサクセスは、顧客の満足度を高めるために商品やサービスの改善にも積極的に関わります。どうすればより高い利用率になるのか、満足度を高めることができるか、結果としてアップセルにつながるのかなど、プロダクトを改善するための企画をすることが求められます。決まった商品を売るだけでなく、自身も商品企画や改善に携わりたいという方にとっては魅力のある仕事です。

顧客ファーストを追求でき、それが業績にも繋がる

これまで述べてきたように、サブスクリプション型のビジネスを行う企業にとって1番重要なのは、サービスを長く利用してもらうことです。そのためには自社のサービスやプロダクトが顧客の課題を本当に解決できているのかという視点が重要になります。建前やマニュアル通りの営業をしても、そもそも契約につながらない、すぐに解約されるなど、収益につながりづらいです。顧客に無理やり売ることや顧客本位ではないことに取り組まなくてはいけないことに違和感を感じている方は、カスタマーサクセスはやりがいを持って取り組める仕事と言えます。

営業経験者が転職しやすい

カスタマーサクセスは営業職経験者が転職しやすい職種と言えます。その理由を見ていきましょう。

・営業のスキルが活かしやすい
カスタマーサクセスが求められるスキルは、営業スキルと似ている点が多く、特に無形商材の営業やソリューション営業の経験を持った方に相性が良いと言えます。顧客の課題や現状を正確に把握するための論理的思考能力や分析力や、顧客の意図を汲み取る力、組織を巻き込む力など、営業として活躍していた方はスキルを活かせます。

・企業はカスタマーサクセスの中途採用に苦労しているため、営業経験者のニーズは高い
カスタマーサクセス経験者はまだ転職市場には少ないですが、企業の採用意欲は非常に高いポジションであるため、カスタマーサクセスの求人は豊富にあります。そうした中で、カスタマーサクセスとして活躍できる可能性がある営業経験者を採用したいと思う企業は多いでしょう。営業としてキャリアを積み、経験を活かして次のステップに進みたいと言う方には非常に良い機会と言えます。

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カスタマーサクセスへの転職で市場価値を高めるには?

カスタマーサクセスへ転職した後、市場価値を高めるにはどうしたらよいのでしょうか。転職後のキャリアプランを考える際の参考にしてください。

マネージャーや役員に昇進する

SaaSやサブスクリプション型サービスを提供している企業にとって、カスタマーサクセスは重要なポジションで、新規開拓や契約の継続に欠かせない存在です。経験を重ねてマネージャーや役員へ昇格することは、1番分かりやすいキャリアプランになるでしょう。

カスタマーサクセスのプロフェッショナルになる

カスタマーサクセスは業界問わずさまざまな企業で導入されています。そのため、さまざまな業界のカスタマーサクセスを経験することで、プロフェッショナルへと成長することは市場価値を高めることにつながるでしょう。また、カスタマーサクセスにおける企画づくりや、プロダクトの仕組みづくりなどの経験があると、専門性の高い社員として認められます。

社内の他部署、関連組織へ異動する

カスタマーサクセスは問題解決やデータ分析などのスキルが必要になり、そのスキルは別部門でも生かすことができるでしょう。業務が類似しているマーケティング部署への移動などが代表例です。顧客のニーズをより深く理解するというカスタマーサクセスの経験は重宝されます。

まとめ

本稿ではカスタマーサクセスが辛いと言われる理由を紐解いていきました。どのような会社だと苦労するのか、逆にどのような会社に入ると良い経験を積めるのか、イメージができたでしょうか。

カスタマーサクセスはまだまだ新しい職種のため、会社によってはまだ理解されておらず苦労することもありますが、これからどんどん需要が高まる将来性がある職種です。カスタマーサクセスとしてジョインしたいと思える会社が見つかれば、辛さや困難を受け入れる覚悟を持つことが重要です。まずは自分が挑戦してみたいカスタマーサクセスを見つけてみてはいかかでしょうか。

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